狩猟者

 やつらを追ってきて、奇妙な場所にきた。

 生存維持のため適応に時間を要したが、この程度ならば問題ない。

 やつらを探す為に移動を始めると、この惑星に住む生物に出会った。

 二つの足で移動し手に道具を持っている。いくらかの知性はあるようだ。

 奇妙な鳴き声を発し、手に持っていた道具でこちらに向けて何か当てた。それもいくつも。

 耳障りで邪魔なので喰った。ウマくはない。

 ほかにも何体かいたようなので、それも喰った。やはりウマくはなかった。

 どうやら姿形がよくないようだ。今喰った生物の姿へ擬態し、状態を整える。

 ここはどのくらいの広さなのか。やつらをすぐに見つけて喰いたいが、隠れるには充分な広さだ。

 それでも、ここにいる生物全てを喰えばいいだけのこと。俺で生存適応が必要ならば、あいつらは生身では生存できない。

 さっきのような生物に住むしかない。知らぬ間に喰っていることだろう。

 別の生物に遭遇した。さっきの生物より大きく、また知性はないようだ。

 喰おうとしてきたのでこれも喰った。マズくはない。

 様々な植物の中を移動していると、激痛が起こった。

 激痛の起こった箇所を見れば、腫れて擬態が維持できなくなっている。

 次々と激痛が襲いくる。だが、その原因は見えない。

 擬態を維持できない脅威は一つしかない。あいつらがなぜここにいるのか。

 移動できなくなり大地に這いつくばっていく。それでも容赦なくあいつらは襲い掛かってくる。

 直に生命維持も困難になっていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る