散々になった身体

 今日は病んでないから病んだ話じゃないよ。

 そう前置きをして、


 さて本題と参りましょうか。



 ニュースで毎日のように流れる『殺人事件』。


 あなたはどう感じるのでしょう。



 例えば、「切断遺体」。今日あったのは息子が高齢の母の身体を切断して遺棄した事件。



 散々バラバラになった肢体を冷めた目で一瞥したのなら、その人は何を感じるのだろう。



 良いことではないのだろうけれど、誰しも一度は他人に対して「こんな人間死ねば良いのに」と感じたことはあるのではないだろうか。それを行動に移せるかどうかは別として。

 それは両親だったり、兄弟だったり、親戚だったり、友達だったり、知り合いだったり、画面の向こうの有名人だったり、世紀の大罪人だったり――或いは自分であったり。



 許されないことであっても、思想の自由は与えられているのだから、どんな人間であれど確実に一度はその思考の糸を紡ごうとしたことがあるだろう。



 その対象が自分に向けば自傷に至るし、他に向けば暴力や暴言となり、どちらも度が過ぎれば自殺または殺人となり得るのだ。



 散々になった生みのおやを見て、そして逮捕された息子はどう感じたのだろう。とても気になる。



 人間誰しもそういった感情は抱えている筈だ。



 そうして殺めようと思った時、

 若しくは死体を分断しようとした時、


 そこに心は在るのだろうか

 在るのだとしたらどういう心持ちなのだろうか



 気になって眠れない。



 そう、あたたかな微睡みと闘いながら、珈琲に唇を触れつつ思考するお昼時。

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