すきなもの。
昨日のあたしは浮き沈みの激しい日みたいだったから、憧れの方々が紡ぐ言葉に身を任せ、その大海で波に揺すられていくことにしました。
今だけは、『僕』を封じて『あたし』で居たいと願いましょう。
どうしようもなく言葉を紡ぎたい人間であれど、努力が足りねば味を感じることも出来ません。
だからあたしは蕀の路を進まねばなりません。
然しまだ旅に出る勇気、あと一歩の勇気が出ないのです。
そんな時は綺麗な言葉に身を投じてみましょうよ。そう、想ったのです。
美しさも穢れも兼ね備えた文字の並びに身を任せ、言葉を編むのが上手な方の言葉遊びを覗いてみたくなったのでした。
矢張言葉の大海というものは深く広いです。
先は見えない。澄んでいたり濁っていたり。けれどもその濁りからでさえも美しさを見出ださせてしまうのだから、憧れの存在は何時までも憧れなのでしょう。
そう感じるとともにあたしは『すきなもの。』を見つけました。大海の一端に触れすきだと感じたもの。
愛しさだとか恋情だとか、そういう言葉ではたりぬ『すきだ。』という感情。
尊敬だとか崇拝だとか傾倒だとかいう方が近いでしょうか。
あたしは、
男性が女性的な
女性が男性的な
言葉を紡ぐのが
どうしようもなく『すき』なのです。
古からの記憶の流れのせいなのでしょうか。
漢字は男性的
仮名は女性的
堅さは男性的
柔和は女性的
そんな気がしてならないのです。
然しそれを無視して真逆のことをやる、というところになんとも言えない素晴らしさを感じてしまうのでしょう。
あたしにはまだ書けるだけの言葉は足りません。
然し美しさだとか醜悪さだとかを感じとるだけの心は持ち合わせているようです。最低限ではありますが。
だから先ずは物語れるように語彙という武器を探しに行かねばなりません。
さて、旅に出ましょうか……、
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