もういっそ殺して欲しい

 誰かいっそ殺してくれないだろうか。

 逃げたい。


 何処にも誰にも吐けない弱音をほんのちょっとここで吐かせてほしい。いやちょっとは吐いてるけども。




 再来週からテスト。普通なら来週からテスト勉強真面目にやっている筈。

 しかし来週から母が入院する。諸事情により終わるまでは詳しくは語らないが。手術の為に10日間入院する。

 その間家のことは出来るだけ僕がやらねばならない。弟は部活忙しいし父は帰りが遅い。朝早く起きて弁当作ったりYシャツにアイロンかけたり洗濯したりゴミ捨て行ったりその他諸々……。

 僕はズボラだし、今まで手伝いをサボってきたから急な事態で家事をこなせる自信が無い。いっそ逃げてしまいたいくらい。


 志望校からの合否通知は来ない、テストは近い、けど僕がやらなきゃ家族が崩壊する。



 父と弟がやるとは言っているが普段から僕以上にゴロゴロしているこの二人にやらせるのは危険だし、二人とも忙しいから気が引ける。一番の暇人は僕なのだ。


 今週末からテスト勉強始めないとヤバいかも。てかもっと前からやっとけよってね。分かってんだよそんなのは。でも気持ちの問題で出来なかった。




 僕は要領悪いから家事をこなしてテストで高得点取るなんて無理。どっちか――いやどっちもおざなりになる未来しか見えない。



 今一番苦しいのは僕じゃない。だからこういう場所でしか弱音は吐けない。やれないかもしれないじゃなくてやらなきゃいけない。



 でも辛い。しんどい。


 こうして書いてる今も涙で顔はぐちゃぐちゃだ。もういっそ誰かに刺されて殺されてしまいたい。





 母親ってどんなにイラついてもどんなにウザいと感じてもやっぱり偉大なんだな、と。


 母に感謝すると共に、僕は不安に押し潰されそうになるのだ。




 助けてなんて、言えない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る