目を合わせたくない


 僕は中学の時、学年中の男子のほとんどからいじめられていた。ほんの些細なことであったけれど、小6から中3、卒業するときまで続いた。他の女子たちはそれを見て笑っていた。それが原因で僕は人間不信になったんだ。


 僕は高校に入ってから多少人間不信を克服した。だからといってt、中学までの人たちに優しく接することができるかと言えばそうではない。


 僕は高校の近くにいる間は息が出来るが、最寄りの駅に帰ってきた瞬間、周りが見えなくなる。フィルターがかかったみたいに、見えなくなる。きっと誰も見たくないから。僕のトラウマであり、僕の人格を見事に砕いたやつらの顔を見たくないから。


 今日、昔好きだった人と最寄り駅の近くですれ違った。それでも、僕は顔を上げることが出来なかった。その人だけは僕をいじめなかったから、信じていたけれど。それでも僕はこの人すら見たくなかった。というか、見られたくなかった。


 僕は陽の光りを見ることは叶わないのかもしれない。誰かの影に隠れてしか生きられない。ずっと、影で生きていくことしか出来ないのかもしれない。


 僕が僕であるためには、過去の僕を知らない人しかいないところにいかなくちゃいけない。まずは何処かに行きたい。こんな狭いコミュニティでは生きていけない。田舎特有の激せまコミュニティ、だからこそ他人の情報なんてほとんど入ってくるんだ。でも僕の情報はほとんど伏せている。それなのに出回るってどういうことだ。早く脱出せねば。


 こんな感覚がサイコパスだというのなら、僕は望んでサイコパスになってやろう。


 誰も知らないところで好きに生きていきたい。



 もう素直に生きていけずに否定されるのはこりごりだ。自分の好きなように素直に生きて否定される方がまだマシ。とにかく、この檻のような狭いコミュニティから抜け出したい。




 僕は僕であるためにこの感情を忘れない。

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