食物語【僕と「くらやみももこ」の食事レポート】

神崎 ひなた

ジャンクフード店

① 来訪

 日曜日の昼下がり。

 仕事が休みの時くらい、ちょっとはいいものを食べたいと思う人もいるだろう。


(……!? 真昼間だというのに焼肉屋に長蛇の列が!)


 駐車場が飽和状態の焼き肉店を通り過ぎる。


 こんな真昼間から焼肉を嗜む人間が――これほどまでに存在するというのか。

 ハングリー精神。

 或いは、肉の持つイメージ、幻想がそうさせるのか――


 柄にもなく「羨ましい」と思ってしまった。


 昼間から焼肉店に、一人で。

 一人で黙々と、モクモクと煙に巻かれながら――エネルギッシュに肉を喰らう。


 そんな幻想が脳裏をよぎるが――スルーする。


 そう、今日の目的は焼肉などではない。

 僕は更に歩を進め、そして五分後に目的の地に辿りついた。


 ガラス張りの店内。仰々しく飾られた店名の看板。隣にはカフェの文字。

 

 そして――店前のベンチに悠々と腰かける、赤と黄色の異形。


 ハンバーガーショップ。チェーン店。


 日曜日の昼下がり、僕はジャンクフードで腹を満たす。

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