異常図書1413-9-1[ホリゾニアシリーズ]

分類:異常知識・召喚媒体

人気推定値:524vol

状況:休眠

発見時の脅威:召喚/黒 神隠し

現在の脅威:召喚/赤 神隠し 超大規模召喚事象


作品の概要

 ████が1997年5月からWEBサイトで連載していた[ホリゾニア]という異世界を舞台にしたファンタジー漫画シリーズ。

 1997年5月から2001年7月までの魔法戦争編、2001年8月から2008年12月までの家族編、2009年1月から2014年7月までの天使編、2015年8月から2019年9月までの相棒編の4部に分かれている。


異常の発現

 自ら超常現象を引き起こすのではなく、超常現象を引き起こす存在を呼び寄せる、ビーコンのような機能を持つものだと思われる。

 制作のきっかけである[霊界接触]の起点となる存在、または出来事があるものと思われるが、シリーズが巨大であること、████が消失したことから、どの存在が、いつ、どのようにして、何をもって異常を発現したかの解明は絶望的である。


発見と対応

 2010年7月30日、████が読者からの質問に答えた際、

「ホリゾニアの文字は、キャラクターに教えてもらった」

「ルヴィジュの実は大体リンゴのような味らしいです」

「ロセベルグ(ホリゾニア東部、エストリア王国南部の都市)は晴れだそうです」

 等の回答をしていたため、ホリゾニアシリーズは人魚姫シナリオによって制作されているか、[霊界接触]を引き起こしている疑いがあった。

 ホリゾニアシリーズは巨大であるため、これが召喚媒体として機能した場合、極めて重大な、世界の全てを上書きしうる超大規模の召喚事象が発生する恐れがあった。

 しかし、この時点では松可奈式判定法でも3点しか示しておらず、WEBマガジンのインタビューに同伴し、心理検査を行ったが、確証は得られなかった。


 2019年8月28日、鷹に似た翼を持つ約1メートル50センチの人型の生物が██県██市上空(████の住所付近)を約3時間飛行し、消失する事件が発生。目撃者が撮影した映像から、ホリゾニアシリーズに登場するファレン(天使編から登場する天使の少女)と共通する特徴を持っていることがわかった。

 ホリゾニアシリーズ、またはその二次創作が事象を引き起こした可能性が高いことから、ホリゾニアシリーズとその二次創作の公開を一時停止。

 ████に任意同行を求め、尋問を行った。

 ████はホリゾニアシリーズの異常性について、一貫して否定していたが、言いかけてやめる、言葉を選んだ後に黙秘するなど、明らかに何かを隠している様子を見せたため、異常性の拡大を阻止し、詳細な調査を行うため逮捕。


 2019年9月1日19時7分、████を収容した房内、西側の壁にポータルが出現。

 ポータル内部から、ホリゾニアシリーズの登場人物と共通する特徴を持つ、複数の未確認生物が出現。

―――

未確認生物(出現順に記述)

 トンボに似た翅を持つ約50センチの人型生物

 翼と羽毛を持つ約3メートルの白い竜型生物

 8月28日に目撃された人型生物

 スナネズミに似ているが四肢が存在せず、未知の浮力で飛行する青い生物

 光沢のある赤いローブを着た約2メートル50センチの動く人体骨格

 未知の銃器、または加速器と思われるものを装備した約1メートル80センチの人型生物

―――

 明らかにホリゾニアシリーズに由来する異常性であることから、この時点をもって異常図書と断定。

 ただちにSEATに出動を要請。未確認生物の排除とポータルの封鎖を試みたが、房に対する干渉ができず失敗。

 房の全体が接触不可能な薄膜に包まれたような状態になっており、鉄格子の隙間も通り抜けられなかった。

 唯一、房の鍵のみが差し込めたが、鍵穴内部で空転。そのまま鍵穴内部に転落し、消失。

 音と光が相互に行き来していたことから、音響兵器、光学兵器による干渉が提案されたが、輸送が間に合わず、実行はできなかった。


記録1 房内での████と未確認生物の会話

―――

50センチの人型生物

「クレアトル(ホリゾニア語で創造主)、やっと会えたね!」


████

「フェセル(50センチの人型生物。魔法戦争編から全編に登場)? じゃあ、そっちはフルフィ(竜型生物。魔法戦争編から登場)? ファレン、プチ(青い生物。家族編から登場)、グランヅ(人体骨格。魔法戦争編から登場)! ルネル(最後に出現した人型生物。相棒編から登場)も!」


グランヅ

「長くお待たせして申し訳ありません。この世界はホリゾニアの遥か高み、門を開くのにどうしても時間が必要でした」(我々の方を見る)

「続きはあなた様の屋敷でお話しましょう。ここでは、いつ連中が踏み入ってくるか不安でなりません」


████

「屋敷……ああ、蛍光館(クレアトルの居城。二重環型蛍光灯に似る)か!」


職員

「██さん! 離れてください! 一緒に行っては危険です!」


████

(我々に近づく)「ここにいたとして、僕が外に出られる日は来るんですか?」


職員

「異常性を解明して、再発の防止が可能になれば、すぐに解放します! そのポータルの先がホリゾニアであるという確証もありません! 危険です!」


████

「確証の話をするなら、その解明と再発の防止ができるかどうかも、確証の無い話ですよね。僕の頭の中にあるホリゾニアのアイディアが原因だったような時は、どうするつもりなんですか?」


職員

「……同じような過去の事例に、そのような原因はありません。何年もお待たせするようなことはないと約束します」


████

「……行こうか、皆」

(ポータルに房内の全員が入り、ポータルと共に消失)

―――


異常発現の原因

 不明。

 恐らく人魚姫シナリオによって生成されており、異常図書1413-9-1が召喚媒体としての役割を果たしたことは間違いないと思われる。

 しかし、████が真に[ホリゾニア]の創造主であるならば、異常図書1413-9-1は、俺の嫁シナリオによって生成された後に、人魚姫シナリオを引き起こしたという事になる。

 作動原理解明のため作業中。


現状

 作動原理解明のため、異常図書1413-9-1の抹消は20██年まで保留。

 抹消後にも召喚事象が再発する恐れがあり、駆除作業に有用だと思われるため、完全抹消はせず、設定資料のみ保存を行う。

 新たな召喚事象は確認できておらず、現在は休眠状態にあるものと思われる。

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