異常図書1404-4-3[IQを30上げるハイパースタディ]

分類:人格版画

人気推定値:828vol

状況:掲載物・原稿の焼却

発見時の脅威:洗脳/赤 強度の行動強制

現在の脅威:洗脳/黄 被害者を救済する方法の模索


作品の概要

 2004年5月、██社から脳ブームに便乗して出版された問題集。後半には[東京賢人会監修]と銘打たれた勉強法が記述されている。


異常の発現

 問題集に3ページ以上挑戦してから勉強法を読むと異常を発現し、被害者の勉強への意欲を異常に増大するとともに、勉強以外の欲求を完全に削除する。

 また、勉強の邪魔になる物事に対して極めて攻撃的になり、食事に呼びに来た家族に対して暴言を放つ、尿道や直腸に栓をする、眠気を覚ますために腕や太ももを刺す等の異常行動を示す。

 さらに、ペンが壊れる、問題集を解き尽くす等、勉強道具が見つからない状況になると、身近な人間に対して精神的・身体的な暴力を振るい始める。特に、勉強に対する熱意の欠如を大げさに言って攻撃する傾向にある。

 被害者に勉強する理由について質問すると、人生が豊かになる、出世に繋がる、経済的に豊かになれる等の回答をするが、勉強以外の行動は一切しようとしない。


発見と対応

 異常行動の結果として死亡したものが██件、外科手術を要する状況に至ったものが███件あり、警察が調査したところ、被害者が一様に、突然人が変わったようになり、「勉強のためだから苦ではない」という旨の発言をして異常行動に走ったことが判明した。

 このことから、異常図書事件の可能性を考え、家宅捜索を行ったところ、共通の所持品として発見。松可奈式判定法によりテストしたところ、人格版画で12点を記録したことから、異常図書と断定。

 ただちに回収を行い、掲載物、原稿を焼却。


異常発現の原因

 問題集に異常量の脳内麻薬を分泌させる構造があり、この影響下にある状態で勉強法を参照すると、洗脳されるようである。

 問題集から勉強法へ強制的に誘導する仕組みは持っていないが、被害者は問題を解いた際の多幸感から「この本に書かれていることは素晴らしいに違いない」と感じて、自発的に問題集から勉強法を参照してしまう。


現状

 異常図書1404-4-3の焼却は完了し、東京賢人会への監視網も完成して、封じ込めには成功した。

 しかし、████人の被害者は、人格版画被害の標準治療手順[牛の首プロトコル]に従って記憶消去することで、少なくとも暴力的異常行動は起こさなくなるものの、自発的に身動きせず、言葉も発さない状態(失外套症候群に近い)になってしまう。

 記憶消去によらない治療として、薬物依存の漸減療法にならって、勉強量を漸減させる治療法を試したが、新たな自傷的異常行動(爪を剥がしてその面積と断面構造を調べる、手首を噛み破って血液の流量を調べる等)を引き起こしたため中止。

 現在、医療機関と協力して、この状態から安全に回復させる方法を探っている。

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