第5話 バール、されどバール
ヨウナ達が雑談していると、バイトの小林が話を切り上げた
「あっ、もうそろそろ着替えないと! 康太さんもうすぐ開店時間ですよ!
」
「そうだった! 急いで準備しないと!」
準備に向かおうとする康太をヨウナが呼び止める
「ねえねえ、康太さん♪」
「なんだいヨウナ?」
「私も何かお手伝いさせてください☆」
目を輝かせて聞いて来るヨウナに、康太は言い放つ
「え、今から仕事教えてる暇ないし・・・、上の部屋で大人しくしてくれるかな? 貰い物のゲームあるからそれで遊んでてよ。昔のゲーム機を小っちゃくしたヤツだけど色々遊べて・・・」
康太の言葉を聞き終わる前にキラキラしていたヨウナの目から光が消えていった
「そうですよね・・・」
「ヨウナちゃん?」
「わたしッ、樽が空いたらほぼ用済みですですものね! 何時もの様に端っこでうずくまってます!」
「え、ちょっと待って」
康太とヨウナの様子を見て小林が思わず呟いた
「うわぁ~・・・、康太さんひどい」
「ちょっと待って小林さん! 誤解だから!なんか誤解してるから!」
慌てふためく康太を気にも留めず、ヨウナは続けて愚痴をこぼす
「たまに違う用があると引っ張り出して使ってくれますが・・・何か雑ですし」
「そりゃバールだからね! それに僕も慣れてるわけじゃ無いし」
小林は話を聞いてぼやいた
「
何故か頬を赤らめる小林に、康太は言った
「何か変な方向に勘違いしてないかな小林さん!?」
しかしヨウナの愚痴は止まらない
「この間なんて栓抜きを無くしたからって私でビール便を無理矢理ッ!」
小林が奇声交じりの声があがる
「ビール瓶をヨウナちゃんに無理矢理!?」
康太は叫んだ
「小林さん! なんか誤解が僕の想像を超えるレベルで程ぶっ飛んでるみたいだけど、いい加減怒るよ!」
ヨウナは加を上げてキッと康太を見つめると、こう言い放った
「あのコーヒー樽に頬ずりする程の愛を、ちょっとは私にも分けてくださいよ!」
康太は照れて頬を赤くしながら取り乱した
「ちょっ! 待って、それ以上言わないで!」
さらに小林が康太に追い打ちをかける
「そうよね! 時々一人でコーヒーにかけてる甘い言葉を私にも言ってほしい!」
「聞いてたの小林さん!? うわ~ん!」
康太は赤面してうずくまっってしまった
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