続・その二 この森は誰のもの
壱
「ひー…」
俳句が有名な山寺に来たのはいいのだが、こんなに階段あるのか? それは聞いてない。
祈裡は自分にかまわず、ささっと登って行ってしまった…。少しは心配してくれてもいいよな…。
何とか近くのベンチに座って休んでいると、隣に女性が座ってきた。
「…随分と汗だく、酷い表情だけど大丈夫?」
「ちょっと、飲み物が欲しい…」
すると、自販機で買ってきてくれた。氷威は差し出されたスポーツドリンクを受け取り、一気に飲み干す。
「ありがとう。生き返ったよ」
「いえいえ。山では助け合いが基本なの」
助け合いか…。祈裡に耳が腫れるほど聞かせてやりたいよ。
「それにしても一人で来るなんて、結構無謀ね」
「違うよ。仲間に置いて行かれたんだ…」
じゃあ一緒に探そうと、その女性は提案した。
「俺は天ヶ崎氷威っていうよ。よろしくね」
「私は
それは正真正銘の俺のサイトで、怪しくないと大声を出した。
「じゃあ、私の話聞く? 嘘か本当かはあなたが判断するとして」
「いいよ」
そういうと、焔は話し出した。
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