第42話 自然科学の教育

王宮で中学校や高校での教育内容を検討することになった。

アクア王国で自然科学を教えようという話しになっている。

まずは手始めに温泉町の学校で始めたい。

自然科学の教育の内容は科学知識と科学的な考え方だ。

この世界は魔法はあるが物理法則や化学反応は基本的には地球とほぼ同じだ。

魔法も科学の知識を考慮して使うと魔力が節約でき、威力も増す。

だから自然科学に関する教育は大変に有用だ。


自然科学の知識を伝えても賢い人間なら何故そのことが判ったかという考え方に関心を持つだろう。

だから科学的な考え方を習得してもらいたい。

科学的な考え方を持てば様々な研究も進むだろう。

そしてそれを糧にしてこの世界でも科学を発達させて欲しい。


科学がどのように地球で発達してきたかを学ぶことは科学的な考え方を学ぶためには有用だが、地球のことは一般の人たちには伝えたくない。

その点をどのようにぼかすのがいいかは悩みどころだ。

科学的な考えを学ぶとなると実験や実習が大事になる。

実験を行いその内容と結果を考察する訓練は重要だ。

先人のそのような積み重ねを私たちは地球で学んできた。


次に実験や実習の教材に何を選ぶかも大事だと思う。

この世界に適したものがいい。

実験と実習を行うとなるとかなりの数の実験器具、実験材料も必要になる。

この辺は準備に時間が必要だ。

ガラス製品も大事だがプラスチック製品がここでは活躍しそうだ。

ガラスも耐熱性のいいものをこちらでも作らないといけないな。


大きな図や写真の入った教科書が欲しい。

中学校程度の内容を教えたいが、教科書はこちらで独自の内容にしなければならない。

どうしても教科書ができるまでには時間がかかりそうだ。

急いで取り掛かった方がいいかな。


本当は視聴覚教材もあれば嬉しいのだが何とかならないかな。

あれば効率もよくなるだろう。

でも視聴覚教材を一から作っていくのは大変だ。

著作権をどうしたらいいか不安だけど地球のものを運んでこれたとしてもこちらで説明がつくようにしなくてはいけない。

投影装置は魔法を使えば立体映像も可能なのに自然科学の状態を考えるとアンバランスな世界だよね。

こちらと地球で手紙をやり取りする方法では図や文字を少しだけ送ることはできる。

教科書一冊の内容も送れないものだろうか。


そして科学を教える人間の育成も必要になる。

既存の教員から育成するにはおそらく今までの知識やら常識が邪魔をして時間がかかりそうだ。

教員養成の課程を終えた若い人を教育するのがいいと思うのだがうまくいくだろうか。

「自然科学教育の準備は簡単にはいきませんね」

「そうですね。まずは教員の育成と教科書作りからですか?いや、教員育成のための教科書と教材の準備が先決かな」

「博物館というか、科学館もあれば面白いよね。子供たちに遊びながら学んでもらう」

それは確かにいいね。

自然科学に親しんでもらいたいよね。

まあ、できるところからやっていこう。

教科書作りと科学教育の教員養成と教材づくり。

そこに科学館の準備を加えたが大丈夫かな。

科学館の建設は早めにやってみたいな。

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