第37話 温泉町の住民たち
地球のゴールデンウィークの休日を利用して温泉町の整備を行う予定になっている。
どんな温泉リゾートにするか話し合った。
「アクア王国の人たちが気軽に利用できる温泉リゾートがいいですよね」
「そうですね。リーズナブルで気軽に利用してもらいたいですね」
「アクア国民の厚生施設的なものがいいですね」
「王国や王都から助成が出ればいいのにね」
「助成って何ですか?」
サオリの発言にユキノさんが質問した。
「国や地方自治体が利用した人に援助するの。温泉みたいに健康に良い施設のりようを促すためにね」
「地球ではそんな制度があるのですね」
「まあ、ここでは健康保険もないしね」
「確かに」
「でも先日健康保険について話したら王様も興味を持っていたな」
「そういう制度が作れればいいですね」
「健康について出てきたところでこの温泉町についてだけど湯治宿や温泉療法の治癒院を作りたいと思うのだけどどうだろう」
「いいですね」
「あの、色々と考えるのはいいのですがこの計画を進めるうえで人材の確保は大丈夫なのでしょうか?」
「うん、サオリの疑問はわかるよ。それについては温泉町の旧住民の中から希望者を集めている。まずは日帰り温泉からスタートさせて人材を育成しようと思う。温泉町の中に職業訓練所を造る予定でエコノさんにも相談してある。建物はちょうどいいものがある」
「そうですか。行政関係はどうします」
「それは王都で行政を担当したものを派遣してくれるらしい。警備も同様だよ」
「アクセスはどうなっているのですか」
「王宮から頂いた塩商人の敷地に魔動自動車の発着場所を作ってもらっている。魔動自動車の増産も近いうちに伯爵邸のあった敷地に外見はお屋敷風の工場を造って増産を開始する予定だ。貴族街の景観を壊さないということで少し費用が大変だったが王宮への納品にもいいので場所的には問題ないよ。現在、所有している魔動馬自動車より多く乗れる38人乗りの魔動自動車の試作車もできているよ。これを使って住民の移住もまもなく開始する予定だ」
温泉町の住民は行政関係、温泉施設関係、職業訓練施設関係、商店関係そして学校関係となる。
学校がなければ子供の教育はしっかりやりたい家族は移住できない。
今回、温泉町には一部無料の公立学校を創る予定になっている。
無料になるのは温泉町の収入が少ない住民の子弟と温泉町で働く本人か温泉町に作る孤児院の子供だ。
王都や周辺の孤児院に呼びかけて将来温泉町で働きたい孤児に募集をかけている。
温泉町の学校では職業訓練も行うので温泉町での就職には有利になると思う。
地球ではゴールデンウィークが始まり、温泉町関係の仕事に力を入れられるようになった。
そして温泉町への住民の移住も開始された。
まずは行政関係者と生活に必要なものを販売する商店関係者と警備関係者だ。
これによって移住してくれた人たちが豊かで安全な生活ができる基盤がつくられたと思う。
もちろん飲食店も営業している。
まだ住民が少ないので商店などの初期の赤字分は補填している。
水屋の支店も営業を開始した。
営業は7日に1日それも午前中に2時間だがもっと営業時間を増やすにはこちらにも新しい従業員が必要だ。
続いて職業訓練施設も開設した。
お陰で訓練を受けて温泉町で就職したい住民が移住してきた。
学校が終了した時期である関係でまだ職についていない若者も多く集まった。
商店や住宅は今は賃貸にしてある。
1年間は無料で貸すことにした。
職業訓練での移住者には職位業訓練を受ける2週間分生活費も支給した。
職業斡旋も急がなくてはいけないね。
治癒院の開設も優先的に行った。
色々な住民がいるだろうからいざという時に備えておくことは大事だ。
学校は7月から開始できるように準備をしている。
孤児院も6月には始められそうだ。
こちらに移ってくる希望者も多いようだ。
王都の孤児院の話ではやはり就職率が悪いようだ。
日帰り温泉施設の従業員の移住も終わり、魔動自動車の定期便の運行も開始された。
順調に準備が進んだので、地球のゴールデンウィークの終わり頃には日帰り温泉施設の営業を開始することができた。
あまり宣伝をしなかったのに初日からそれなりに客が訪れた。
日帰り温背施設はもう一軒必要かもしれない。
宿泊施設が営業してからの検討課題だろうが。
宿はまだビジネス関係者向けのものしかないが近いうちに湯治客用の宿が営業を開始する予定だ。
続いて一般向けの温泉旅館と高級温泉旅館の営業を開始する予定だ。
観光施設やアクティビティ施設はまだこれからだが順番にやって行こう。
移住開始10日で人口1000人の町が出来上がった。
まだ1日の観光客は120人程度の日帰り客だけだがいいスタートだと思う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます