第13話 魔道具でスローライフを

3時50分の起床。

睡眠時間は4時間か。

急いで朝食、そして水屋へ。

朝の水づくり。

店と作業場に並べた。

1L   300瓶

5L   300瓶

10L 4000瓶

20L  500瓶

  計51800L

昼まで持つのか心配だ。

今日も王宮の要請で休みなしで営業だ。

営業時間は朝6時から夕方18時まで。

12時間営業決定です。

朝6時からというのは住民の朝食に間に合うようにという配慮だよね。

王宮から12名が来て、交代しながら販売してくれることになっている。

夕方は学生さんたちも手伝いに来てくれる予定だ。


私はと言えば朝5時50分までにできるだけの美味しい水を用意する。

5時50分にお手伝いを向かい入れ開店準備。

6時開店。

販売は王宮のメイドさん部隊、行列の整理は近衛衛士隊と豪華だ。

何とも凄い陣容だよ。

いいのかな。

そして私は水の売れ具合に合わせて美味しい水を増産する。

主に収納に入れる。

9時からは水屋はお手伝いの皆さんに任せて塩づくり。

11時40分には水屋に帰ってきて昼食を屋敷に食べに行き、12時から作業場で水の補充。

13時過ぎに王宮へ向かう。

納品は13時半だけど、王様が立ち会うというのに遅れるわけにはいかないからね。

2時間ぐらい時間が欲しいという。

塩の容器の返却もあるので収納の魔道具も忘れないようにと言われている。

16時から18時までは作業場で水の補充かな。

18時40分には屋敷へ帰れるかな。

何としても帰りたいよ。

だけど、なんじゃこのスケジュールは!

屋敷を遺産として相続した時、週末はのんびりと遺品の研究資料整理かなと考えた。

研究資料整理も忙しそうだけど期限は決まっていないし時間の拘束はないからスローライフだと喜んだ。

水屋の営業を頼まれたときも「水屋」という言葉の響きからのんびりとしたお仕事というイメージを持ったのに!

何、今のブラックな状態は!

でも、王様に頼まれたし、そういうのを断われない性格なんだよね。

王都の住民のためと言われると弱い。

仕方がない。

馬鹿とはさみは使いようというけど、頭と道具も使いようだよ。

道具?!

そうだこの世界には「魔道具」という便利なものがあるんだ。

そして私は自分の魔法を道具に付与できるはずだよね。

なら魔道具を作るか。

よし魔道具でスローライフを獲得だ!

だけど、このスケジュールでいつ魔道具を作ったらいいの?

屋敷で夕食を食べた後かな。

21時からか?

これで今日も残業が確定だよ。


5時50分。

「おはようございます」

お手伝いの皆さんを招き入れたが、うわー、すごい人だ。

これでは捌ききれない。

仕方がないので非常口のひとつを開けてそこを出口にして客の流れを作ることにした。

追加補充は10Lだけに絞るからよろしく。


売れに売れた。

6時から9時の朝の部

1L   250瓶

5L   220瓶

10L 9000瓶

20L  400瓶

  計99350L

端数はよくわかっていない。

10Lの瓶も2500瓶も売れている。

3時間での追加は18000瓶。

在庫は

1L     50瓶

5L     80瓶

10L 13000瓶

20L   100瓶

  計132450L


これだけあれば昼まで大丈夫かな。


「いつも思うのですが、よく魔力が切れませんね」

「本当だね。まあ、節約がうまいんだ」

不思議に魔力が切れない。

流石に水と塩でそろそろ限界だろうと思うのだけど。

魔力が増えている?

まさかね。

お店は任せて塩を作りに出掛ける。

護衛を魔動自動車に乗せていつもの塩生産の作業場へ。

9時20分到着。

すでに衛士たちが作業の準備をして警備にあたってくれている。

あれ、あれは?

「え、あの小屋は何ですか。結界も張ってあるようですが」

小屋が2棟増えている。

「あ、警備詰め所と仮眠施設です。ここと配水池は24時間警備ということになり両方にこのような施設を造りました」

「そ、そうですか」

確かに警備は必要か。

でもこれは魔道具を作った時にいいな。


では始めますか。

あれ、生産のペースが速まっている?


高純度塩1000瓶を生産に必要な時間は約3分。

45分で15000瓶、375t。

次に美味しい塩も生産する。

美味しい塩1000瓶で約5分。

50分で10000瓶、250t。

計625t。

昨日の午後と同じ量だよ。

少し早いけど帰るかな。

いやちょっと待てよ。

ちょこちょこと・・・・・。

魔道具が完成。

瓶もセットして。

「あの、隊長さんお願いがあります」

「あ、はい」

私の作業を唖然としてみていた警備隊長さんが反応した。

「この魔道具で毎日、高純度塩と美味しい塩が800瓶ずつできますから王宮に運んでもらえますか。王宮にも輸送の準備など午後行ったときにお願いしておきます。ここに入れるのはこの腕輪をつけた方だけにしておきます」

認証の腕輪を渡した。

これで次来るまでに4000瓶ずつ塩ができて納品されている計算になる。

この作業場の広さでは置ける瓶の数はこれが限界だな。

瓶をもっと多く準備すればもっと多く…6倍ぐらい生産できるのだが。

作業場の拡張もお願いするか。

あ、輸送は王宮に任せるけど輸送費はどうしよう。

魔道具は並べてある高純度塩用と美味しい塩用に4500瓶ずつ並べてある瓶に塩を25kgずつ入れていく。

壁が閉めてあっても大丈夫だ。

空の瓶が無くなったら停止する。

魔道具便利。

いいね、この世界に魔道具があって。

さて、水屋に戻るか。

私の話に驚いている警備の皆さんをそのままにして水屋へ向かう。

護衛の皆さんは私の行動に慣れてきているのね。


水屋から急いで屋敷に戻って昼食。

サオリさん、カオリさんごめんなさい。

味わう余裕がありませんでした。


よし、気合を入れて水の補充を行うか。

頑張るぞ。

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