第10話 塩戦争
「それがいい、そうなればソルト王国国内並みの価格になるな」
王様も賛成してくれている。
塩価格上昇前の状態を教えてもらった。
ソルト王国では普通の塩が1kg450円、卸値が300円だということだ。
アクア王国で小売り業者に引き渡される卸値は840円。
ソルト王国で引き渡されるた時は関税込みで300円、輸送費400円、塩商人のの儲けが120円だという。
アクア王国の税金は10円、商業ギルドにも10円が入る。
小売業者の儲けが150円、それで販売価格が1kg1000円になる。
現在はソルト王国では普通の塩が1kg9200円、卸値が8800円だという
ソルト王国で引き渡されるた時は関税込みで8500円、輸送費1600円、塩商人の儲けが1700円だという。
アクア王国の税金はなくし、商業ギルドも納入金を免除している。
小売業者の儲けが200円で12000円。
高価なものを扱うのでリスクを考え、塩商人の儲けや輸送費が高くなるらしい。
(そうすると昨日の私の塩に対する評価額はなんなんだ)
確かに高品質だろうが卸値15000円とは。
昨日卸値15000円と評価した鑑定人を見た。
塩商人としきりに何か話している。
「高品質ということで価格を釣り上げて今の塩商人の儲かる状況を維持しようとしたみたいだ。ここでは厳重に見張っているから変なことができないと思うが注意した方がいいよ」
商業ギルドのエコノさんが小声で教えてくれた。
私が卸した塩は600円で卸してアクア王国に税金が10円、商業ギルドにも40円が入る。
商業ギルドは今回色々とやっているからその費用だね。
塩商人には650円で卸されるがそれを小売業者には750円で卸すことになっている。
以前より儲けが減ると言っているが買い付けも何もしていないし今まで儲けていたのでそれでいいはずだ。
不正に大量の在庫を持っているようだがそれが原因で苦しくなるのだろうが自業自得だ。
小売業者は250円の儲けで1000円で販売することになる。
高価な在庫が売れなくなる恐れはあるが品不足の現在、小売業者の持っている量は知れている。
中にはほとんど売るものがない小売業者もいるようだ。
塩商人からの卸値が高すぎて入荷できないのだ。
そのことも考えて小売業者の儲けを増やした。
塩商人が儲けが少ないために地方へ運べないというので地方へは軍と商業ギルドが協力して運び王都と同じ金額で小売業者に塩を卸す。
1kg100円は輸送費と手数料だ。
軍は5日に1回、各町や村の駐屯地や詰め所に物資や書類を運んでいるのでそれに便乗する。
高純度塩は王都では塩商人に卸させたが美味しい塩は商業ギルドのみで卸すことになった。
私からの卸値1000円、王国の税金が50円、商業ギルドの輸送費手数料等が150円、小売業者の儲けが300円で1500円で販売だ。
品不足にならないような工夫もしている。
塩商人は指定価格で卸したことを証明するために小売業者から受け取りの署名をもらう。
もし、塩商人が在庫切れと言った場合は小売業者が商業ギルドに報告する。
そのような場合は地方同様に商業ギルドが小売業者に高純度塩を卸す。
小売業者も販売した相手から塩受取書をもらい商業ギルドの提出する。
購入しようと思って売ってもらえない場合は商業ギルドに報告することもできる。
エコノさんが塩販売の方法を説明してくれた。
塩商人の鑑定人と商業ギルドの鑑定人が量と安全性を確認して書類にサインをしている。
塩商人も書類にサインをして塩の入った瓶を受け取って帰っていく。
代金は後程商業ギルドに支払うらしい。
これで塩不足は解消しそうだ。
納品は19時の約束だったが18時半に到着したお陰で19時半には帰れることになった。
水屋から屋敷に戻ると玄関のノブに手提げ袋がかかっているのが分かった。
お弁当が入っていた。
お弁当からわずかにサオリさんとカオリさんの魔力を感じた。
今日は遅くなることをサオリさんたちには言ってある。
ありがたくお弁当をいただくことにした。
朝早かったので早めに休んだ。
翌日からはいつもの通りお仕事だ。
マンションに帰り出勤。
塩の事も気になるが年度末の忙しい時にそちらに行く余裕はないよ。
早いものですぐに金曜日になった。
週末だ。
屋敷に行くと夕食と明日の朝食・昼食が玄関のノブにかけてあった。
ありがたくいただく。
水屋に行くと入り口横のポストにメモが入っていた。
『何時でもよいので至急王宮に来るように』
魔動自動車で王宮に着くとすぐに王様と王太子が会ってくれた。
「3人の塩業者が塩を持って逃亡した。ボウリ伯爵領で匿われている。ボウリ伯爵はアクア王国に反旗を翻した。彼の後ろには塩を高額で売りつけようとしたカルテ王国がいる。このままだと戦争になる。これは塩を利用した争い、塩戦争だよ」
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