なんとも毒を含んだ問題作です。
男しかいない世界ケイナン。
そこにいるのは自分にとって理想の女性の姿を持ち、自分だけを愛してくれるロボットたち。
彼女たちブライドロイドは決して裏切らず、永遠に美しく、滅びる時さえも一緒。
理想の恋人で友人でメイドでアシスタント。
私自身、今すぐケイナンに移住したくなってきましたが、作中で印象に残ったのはケイナンよりもう一つの世界の方です。
争い、妬み、だまし合う。
大義ときれいごとの下で支配欲と憎しみと化したルサンチマンが渦を巻く星。
冒頭に問題作と書いた様に、誤解を招きそうな描写もありますが「愛とはなんぞや」を考える良い試金石でした。
また宇宙艦隊戦や、様々なギミックはSFとして十分に書き込まれています。