妹さえいれば...

Dr.mint

妹さえいれば...

「おにいちゃぁん!」

妹はいつからこんなに私を愛するようになったのだろうか。

過去に遡ること13年。

妹と僕は双子であった。

僕の方が早く生まれてきたからおにいちゃんと呼ばれてるというだけで、

実際そこまでの差はない。

僕も本当は妹のことが好きだが。

そんな日常を少しの時間、君と見ていこう。


 あの日、僕は何個チョコをもらったのだろうか。

妹がものすごく嫉妬して2日間ぐらい口を聞いてもらえなかったなぁ。

あの2日間は大変だったなぁ。自分だって色々と構って欲しいところとかは

あったのだ。それだけではない、自分のいろいろとした心情をぶつけられる

たった一人の妹なのだから、妹に口を聞いてもらえないというのは辛いものだ。

ああ、その頃といえば、自分の先輩の生徒会の会長選のことで、結構ゴタゴタがあったりもして大変だったような気がする。


 そして、月日の流れること数ヶ月。同じクラスであった二人には、研修という難関が待ち受けていた。

「研修のキャンプファイヤーの時の合唱で、リーダーをする人―?」

僕は、すかさず手を挙げた。僕はもとより、音楽系のイベントが好きであった。

妹は……わからないが。ともかく、僕がリーダーとなってクラスをまとめて

三部合唱を展開したのだが、リーダーになった他の女子と話をしていた時

(むしろ話をさせられていた時)の妹の目は、本当に厳しいものであったなぁ。

そんな練習の日々などは、とっくに過ぎていき、本番の日。

練習の甲斐あったのか、それともなかったのか、どうにか合唱という形にすることはできた。最も、自分の合唱の伴奏がミスをしてしまっていたのは、

気づかれたようだが。そのあと、妹は、僕のことをすごく褒めていたようだ。





 また、数ヶ月の流れがあるというわけでなく、その頃に同時進行していたことがいくつもあった。その中でも一つ、思い出したので書いておこう。

「ねぇ、お兄ちゃん、書こう!」

怒られてしまった。そう、球技大会が間近に迫った週、

僕と妹(とその他委員)は、掲示用の紙の作成をしていた。

僕の担当と妹の担当は違ったが、僕が保健体育副委員長ということもあり、

結果的に一緒になった。

そんな日々、二人きりで活動することも多かったので、ハグをすることもあった。


そういえば、といえばそういえばなのだが、

妹視点で描いていたメモがあるので紹介しようか。

「「

お兄ちゃんがぎゅっとしてきた

首にかぷっと噛みつかれる

「あっ...ちょっとまって。宿題してるから」

「ごめんね。待てない。」

「お、お兄ちゃん?」

「ちょっとこっちきて」

「なんで?」

「好き...」

「はいはい、ちょっと離してよ」

「やだ、絶対はなさない」

「お兄ちゃん...好き」

「もうちょいこっちきて」

ドスン...二人はベッドダイブ。

「痛いよ、お兄ちゃん」

「ごめんな」

「で、なんでダイブ?」

「ずーっとぎゅーってしていたいもん」

「もう寝るの?」

「そうしよっか...」

「好きだよ....」

「お兄ちゃん....大好き」

」」

俺氏は、これを見て、色々な感情が吹き出してきた。

もちろん、自分自身がしたことなのだが、美化されすぎというか、

なんというか、ものすごく表現しにくいものだった。

そんな日常を過ごして思うこと、と聞かれれば、やっぱ妹って可愛いなぁと思うものなのだなぁ、ということぐらいだろうか。


---fin---

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

妹さえいれば... Dr.mint @nobu2_2017

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ