出現の条件
あぁ…嫌な夢を見た。夢?……余りにもリアル過ぎないか?…記憶を辿っていたような――既視感と言うのだろうか?
でも、起きたからにはぼんやりしている暇は無い…と思う。【ゲート】を探さなければならないし…手がかりもなしだし…というか、
よし、聞いてみるか…そんな簡単に教えてくれる訳がないとは思うが、物は試し、思い立ったが吉日とも言うだろう…。
「ルイ、ゲートの手掛かりかヒントは無いのか…?あったら教えて―」
「はい、ありますよ。それは、あなたにとって一番大切な場所に出現します。しかし、まだありません。」
「え…ってことは無いの?どうすればいいの…?」
「物事には必ず理由があるものです。あなたがここに存在しているのにも理由がある筈です。それを思い出す事が出来た時、ゲートは現れるでしょう。」
「思い出すも何も、みんな生まれた時は同じように何も出来ない、だから生まれる意味なんて後から出来るんじゃないのか?存在意義なんて死ぬ前の僕は『そ』の字も無かった筈…」
「いえ、あるんですよ…みんな持っているんです。多分これは、存在意義と言うより存在する目的の方が正しいのではないかと思うのですが、あなたのは完璧に存在意義。」
「これ以上話すと答えを言ってしまいそうなので、ここからは自分で頑張ってくださいね。」
そしてまた、白い部屋は崩れ消える。
その向こうにはまた、あの日のように、無い風に髪を靡かせて國里蒼生は立っていた。
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