【ゲート】と『問題』
兎にも角にも、僕は彼女からの『問題』に関しての記憶がない。
なので、ここからは彼女と一緒に【ゲート】を探しつつ、僕は彼女からの問題について考えることとなった。
ルイの言った通りこの世界には時間は無いようで、かなり歩いた筈なのに全く日が動く事も、遊具がたくさん置いてある、今は誰もいない寂れた公園に哀しげに佇む時計も、その金網に引っ掛けられた忘れものの腕時計も、まるで魂が抜かれたかのように動かない。
鳥の鳴き声なども無く、静かな街を何もする事の無い僕らはひたすらに歩いた。
何処かにあるという【ゲート】と『答え』に向かって――。
どのくらい歩いたのだろう……。
周りの風景は、綺麗に敷き詰められた高層ビルから晴れているのに不思議と暗い雰囲気のする裏通りへと変わっていた。
ハイヒールの靴がコンクリートを叩く、コツッコツッという音がわずかに聞こえる。
そして若い女性の、ぼそぼそと「【ゲート】って何…? 突然ゲームに巻き込んでおいて『【ゲート】を探してね♡』? ふざけんな…あのロボット…」と言う多分普段より三オクターブは下がった女性独特の闇の声が聞こえる程まで近くなる。
踵を返したいのだが、蒼生は僕の気持を知ってか知らずかどんどん先へ進んで行く。
予想はしていたが、その女性と僕らは裏通りの一本道で鉢合わせしてしまった。
「「「誰?(ですか?)」」」
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