國里 蒼生


 國里 蒼生は、華やかな白い肌に艶のある黒い髪、少し目尻の上がった目は長い睫毛に縁どられていて、虹彩は濃い栗色。スタイルもいい、誰もが目を引く美少女だ。

 そして、なんとも神様は不平等で、彼女は頭もよく、首都圏の一斉模試でも上位十番内に入る頭脳を持っている。いわゆる、才色兼備というやつだ。そしてそのお父さんも医者で研究者らしい。完璧すぎる。そんな彼女と僕の接点は、中学からの四年間、ずっと同じクラスの同級生という事だけだ。

 ここで、なぜ高校一年の時も同じクラスだと分かるのかという疑問が出てくるだろう。でもそれは簡単に説明が出来る。

 僕は何とかして一年の時の記憶を取り戻そうと奮闘した時期があって、その時一年の時の名簿を見つけ、クラスで一緒だった人を把握することに成功したのだ。

 話を戻そう。

 その時の先生方の方針を考えると、中学からずっと成績優秀な生徒会長様のレッテルが貼られている彼女を僕と同じクラスにすることで僕のボッチを直すということかもしれない。上手くいくはずもなく、見事なまでにボッチだった。

 僕は彼女とは全く違う。そんな簡単に治っているなら僕はボッチになっていない。

 全く馬鹿みたいだ。


 そんなことで、僕と余り話もしなかった彼女だ。彼女の自殺をほう助した覚えもないし、彼女に執拗に嫌がらせをして自殺するきっかけなんてつくってもいない。まあ完璧すぎる彼女は生徒間では嫌がられて、一定の人には嫌がらせを受けていたようだが……

 僕は何もしていない筈だ。嫌な予感はした……

                

                やっぱり


          一年の時の話か……?

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