第31話change 山田
抜けるような秋晴れの空
広場のベンチで缶コーヒーを飲む山田。
遠くの空を見つめる。
目の前を通りすがった女性が山田に声をかける。
「山田さん?」
花ではない。
顔を上げると、前の職場で一緒だった若い女性がいた。
「お久しぶりです」
「あぁ、久しぶり」
「新しい職場、この辺なんですか?」
「あぁ」
「えー、もしかしてヘッドハンティング?」
「いやぁ…みんな元気にしてる?」
「もう、大変ですよ!山田さん辞めてから
マネージャーもいないし目茶苦茶です!」
「そ、そうなんだ…」
「ほんと、みんな山田さんのありがたさを思い知りましたよ。甘えてばっかりいたから」
「はは…」
「あ、お昼済みました?」
「えっ、いや…」
コンビニの袋をベンチの後ろへ落とす。
「じゃあ、そこのパスタ行きませんか?おいしいですよ」
「あぁ、いいね」
「私も会社辞めたいですよー」
「そうなんだ」
「なんか山田さん雰囲気変わりましたねー」
「そう?」
他愛もない会話をしながら
女性と肩を並べて歩いてゆく。
爽やかな秋風が吹き抜ける。
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