第27話ジェラシー

カフェでランチをとるリツ。

今日は花に会えない。

誰かと会ってるのか?

いや、学校行事に違いない。

たぶんPTAだ。

…ってかオレ、どうしちゃったの?

来週のオーベルジュ

キャンセルしたほうがいいのかな…

「はぁ…」

ため息が漏れる。


「あらリツちゃん、またナヤミゴト?」

「んー」

「あ、そういえば今朝、あの女の人見かけたわよ」

「えっ、どこで?!」

「池袋」

「池袋?」

「男と居たわよー」

リツの脳裏にいつかのガタイのいいイケメンが浮かんだ。

「ガタイのいいイケメンだった?」

「ううん、メガネのもやしっ子だった」

兄貴だ。

「リツちゃんのほうがずっといい男なのに。

わかんないわよねー、女って」

安堵と共に怒りがこみ上げる。

兄貴で良かった。でもなんで兄貴なんだよ!


どこかへ電話するリツ。

「来週のミーティングですが、今からちょっと時間ができたので、ご都合良ければいかがですか?ありがとうございます。

すぐ参ります」


兄貴には渡さない。

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