第11話用心棒
音楽を聞きながらスーパーで買い物中
リリーからLINEが入る。
「お疲れ様です。
来週、山田さんの弟さんが来るの?
一応、会うのは原則1対1なんだけど
山田さんは常連さんだし
私もよく知ってるから
今回だけということでokしました。
大丈夫かしら?」
「はい、大丈夫です」
「何もないとは思うけど、念のため彼に待機していてもらいます」
「ありがとうございます。
宜しくお願いします」
いつかのオープンカフェ
リリーと花が向かい合っている。
「偶然ね!いつもLINEしてるから久しぶりな感じがしないわね」
「ほんと」ふふ、と笑う花。
「私、待ち合わせなのよ」
「お仕事ですか?」
「ううん、デート❤」
「あらぁ、いいな~」
「あっ、来たわ。彼、紹介しておくわね」
ガッチリとした体格のグッドルッキングガイが爽やかな笑顔でこちらにやって来る。
「この人、私のパートナーよ」
「はじめまして、ケイです」
「は、はじめまして、花です」
「花ちゃんはうちのエースなの。ケイはうちの用心棒よ」
「そうなんですね!」
「柔道の元チャンピオンです」
白い歯がまぶしかった。
「何もないとは思うけど、もしもの時は彼が駆けつけますから」
歩き去る二人の背中を見送る花。
ケイが、車道側を歩くリリーを
そっと内側へエスコートする。
いつもの料亭
三人分のランチ懐石がところ狭しとならぶ。
「失礼します」
花が入ってくる。
「はじめまして、花です」
「どうも、弟のリツです」
三人のランチが始まる。
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