一般的な一般人

陸海 空ちゃんくん

普通

 私は普通に生きてきました

 普通に産まれました

 普通に育ちました

 普通の大人になりました


 私はでした。  

 たった一言でした。

 たった一言に私は 私はッッ!


「お前さ…なんか異常だよな」


 最初は意味がワカラナカッタ

 理解できナかッタ


 私が…普通じゃない…?


 その瞬間 


 私は


 壊れてしまった



「アアアアアアアアアアアア!!!」


 ワタシは叫んだ

 喉から血が出るほど

 ソイツはワタシにナニかを話している

 ヤメロ!ヤメロ!

 知りたくない!知りたくない!


声も出なくなった時

ワタシは気がついたのだ 

そうだ…消せばいい

 ワタシがであるために


 私は 


 マグカップを手に取り


 殴った


 殴った


 殴った


 ソレは ワタシに向かって


 笑った


 わらった


 ワラった


「……ッッ!!…ッッ!!」


 私は


 きこえてしまった


 ソレハ


 ソイツは


 貴女は


「これで…ずぅっと私を」


 ワタシは


 私は













「皆はあの噂知ってる?」

「知ってる知ってる!彼女を殺したって奴だろ?しかも顔の原型も無くなるくらいに殴ったってやつ!」

「しかも殺してから食べたとか!」

「あんな普通そうな人がねぇ…」

「しっ!聞こえるぞ!」



普通だった私は

普通じゃなくなりました

たった一言 

でも 決定的な一言


「私だけを見てくれるね…」


私は化け物

個性もなく

愛もなく

欲もない


ただ普通で有るためだけに


大事なものがわからないまま


今もナニかはこう囁くのだ


「お前は許されない」

「お前は異常だよな」

「だから私だけを見るように」

「私だけの化け物であるように」

「普通のままではいさせない」






私は普通であった

狂った歯車に組み込まれ

普通で居ようとするが故に

私は化け物であり


普通にはなれない



お前も


お前も


こうなるがいい


普通で有るがゆえに


狂うがいい


私は


普通である

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一般的な一般人 陸海 空ちゃんくん @rikuumisora

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