四十二 縄鬼しよう

あれから半年が過ぎて、三歳になった。カメッリアお姉様は、学業が忙しいとの事で家には帰って来ないという珍しい事が起きたくらいでそれ以外では、僕に友達が出来たというくらいだった。

「フルグル君、縄鬼なわおにしよう」

「いいけど遊び方を教えて」

 縄鬼とは、鬼が逃げた子を捕まえて、気に縄で縛り逃げない様にする遊びであり逃げるには、縄を解いてあげると捕まった子達は、逃げれると言う遊びらしい――。

「分かったけど、どっちすればいいの?」

「初めてだから逃げる方やっていいよ」

「ありがとう」

 こうして、日頃から鍛えた足で、動き回る事になった。逃げてから木の上に隠れていると鬼達に、友達がどんどん縄に縛られていくのが見える。

「これは、見てて酷いな」

「一人捕まったら仲間がいなくなる」

 そして、仲間が捕まり僕を探す鬼達が見える。身体強化をして木から木に移りならがら様子を見ていく……すると鬼が全員で探しに行くのが見えて、こっそりと木に下りて、縄を解いて仲間達を救うと?

「あっ、フルグル見っけ」

「やばい見つかった」

 そこから気配を消して、その場から逃げる。時間になり逃げるチームが勝ち交代となり鬼となる。遊びは、真剣にする物とこの頃は、考えていた事もあり探索サーチを使って、順番に隠れている人間を捕まえながら木に戻ってくると……。

「フルグル君、おかしいよ隠れている人全員見つけてくるなんて何かずるしてない」

「探索魔法しか使ってないよ?」

「遊びで魔法使わないよ普通」

 どうやら魔法を使ってはいけないとルールがあったようだった。そんな事から友達から普段の生活で何をしているのかを知り少しずつ常識を学べるようになっていった。

「探して、見つけるて難しいね」

「それが普通の見つけ方だよ、初めの頃は、びっくりしたよ」

「魔法が駄目て言ったら、人の呼吸で見つけるとか変わった事もしたよね」

 そんな会話を出来るくらい毎日付き合って遊ぶようになる。この頃になると遊んでたり、筋肉トレーニングをしたり勉強したりと一日が過ぎるのが早い事もあり、体力と知力がどんどん上がっていき実感できるようにもなってきた。

「フルグルて、俺ら仲がいいし、女どもとも仲がいいけど……どっちつかずだよな」

「遊び方とかが違うからどっちと遊んでも楽しいだよね」

「やっぱり、兄妹が多いいとなにか違うのかよ」

「うーん、それも違うけど」

「遊ぶなら楽しい方がいいと思うだよね」

「フルグルが言うならそれでいいや」

 男と遊ぶ時は、名前で呼ばれるが、女の子と遊ぶ時は、君よびされる。何故か凄く懐かしく感じるがそれも楽しめればいいと思ってしまっている。そろそろ計画でも実行したいと思っているが、この事をお婆様に相談でも後で聞きに行くかと思っている。

転移ポータ」と唱えて、お婆様の居る書庫へと足を運ぶ――。

「お婆様この間、誕生日のプレゼントありがとうございました」

「フルグルか、身体強化上級でよかったのか?」

「はい、お母様に中級を買ってもらったので、嬉しかったです」

「この頃表情が良くなってきたが、同い年の子とあそんでいるからか?」

「そうですね、色んな子と遊んでます」

 カメッリアといた頃は、凄い殺気ある子供だったが、最近は臨機応変に行動できるようになっている。ディアントゥスも最近のフルグルは、とても良い感じに育ってきていると言っていた事を聞いている。

「お婆様に相談があってきました」

「多分だが、モンスターを狩りたいとかの相談か?」

「良く解りますね」

「あれだけ筋肉トレーニングを欠かさずしていて、魔法の勉強をこなして、友達作って遊んでいれば……答えが見えてくるぞ」

「この身体で、どれくらい動けるかを見たいですよね」

「良い場所ありませんか?」

「そういえば転移使えるようになったのか」

「はい、使えるようになってます」

「ならゴブリンがいるような森に案内するからそこで一度狩りをしてみてはどうだ」

「儂が、転移で案内するぞ」

「明日でもいいですか?」

「いつでも構わないから言ってくれ」

「解りました」

 これで、初めての狩をする場所に案内してもらえる約束を取り付けた。その時に、果物ナイフか何かを借りて、昔のように出来るかを試してみたいと思いながら転移して家へと戻るのであった。

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