四十三 初めての狩

さてとお婆様の家に行きますか、僕は、転移ポータを唱えてお婆様の家に行く――。

「来たようじゃな」

「これからどこに行くのですか?」

「カフカの森に行こうと思う」

「そこで、ゴブリンを狩ってもらう」

「試したいので、果物ナイフありますか?」

「ナイフもあるが、果物ナイフで良いのか?」

「ナイフだとまだ持てないので、果物ナイフで問題ないです」

 僕の身長から考えて、手の大きさから普通のナイフは、流石に長いので果物ナイフを選んだ。技術は、イメージと昔の感覚を信じて、動けばなんとかなる気がしている。

「儂に掴まっておれ」

 僕は、しっかりと手を握る。お婆様が転移の魔法を使うと景色が一瞬で変わったのが分かった。結構森の中にいるのが解るのと検索サーチを使うと人と違う生き物がいる事が解る。数はバラバラだがあっちこちに居る事が分かった。

「検索を使って解ると思うが、居るじゃろう?」

「はい、結構な数がバラバラにいるのが解ります」

「初めは、ついてて見てるが、途中から一人で狩れそうか?」

「大丈夫だと思います」

 久々の緊張感が身体中に襲った気がするが、急に静かな鼓動に変わる。小さくだが呟く(あぁ、この手で、切るのか……)

「フルグル、フルグル」

「どうされました?」

「その殺気は、抑えないと駄目だ気づかれるぞ」

 久々に感じた殺気だが、どうしても恐怖を感じてしまう。こんな子供がどうすればここまでの殺気を出せるのかを考えてしまう。転生前の記憶も聞いていたが、いったいどうしたらこんな子が生まれるのだろうか……普通に考えてありえない――。

「行ってきます」

 気づくと気配が消えている――ここまで出来上がっていいのだろうか……年齢にして三歳児が気配がなくて狩りが始まるのだった。

「あれが、ゴブリンか――」

 ゆったりと静かに近づいて行く――後ろに回った所で、首元に果物ナイフを軽く当てて軽く引く……そして、一瞬にして黒い霧になる。その後も正面に出て様に見えて、朧を作りだし襲われたように見せて、切か狩り撫でるように、殺していく……音も息も聞こえない程に、ゆっくりと殺していく―――。

「弱い、弱い、弱い」

「こんなに、モンスターは弱いのか?」

 すると見慣れない豚のような大きなモンスターが見える。ゆらりと進み襲いかかってくるのを朧を使ってあてる事すらできず蹂躙されていく――。何のモンスターか解らないので、地面に落ちているアイテムを拾って、お婆様の所に戻る。

「戻りました」

「一時間くらいしか狩りをしていないが飽きたか?」

「いえ、知らないモンスターがいたので、聞きたくて戻りました」

 そう言って、豚の大型をしたモンスターが落とした斧をお婆様に渡すと?

「これは、オークじゃ」

「おまえさんは、オークと戦ったのか!」

「大きな豚なら戦いましたが、簡単でしたよ」

「オークを倒す三歳児とは……」

「それよりもお前さんじゃないです」

「僕の名前をちゃんと読んで下さい」

「だから殺気を抑えろ」

 どうも最近儂の前だと殺気を出す……確かに、名前を呼ばなかった儂が悪いのじゃが、あの殺気は、心臓にも悪いからそろそろ辞めてほしい。

「そう言えば、狩ってるうちに、身体が軽くなる感覚があったのですが」

「それは、身体のレベルアップじゃろう」

「レベルアップとは、なんですか?」

「ステータスを見る事を知らんか」

「次回までに、魔法の本を作っておくからそれで確認してくれ」

「解りました」

 こやつの狩をたまたま見えた場所があったが、凄く綺麗じゃったな……ある意味怖いくらいじゃよ、あんなに淡々と倒して行くさまが凄く不気味じゃった。

「お婆様は、どうします?」

「そうじゃな、フルグルの狩は問題ないから」

「儂は、帰るからゆっくりと狩りをすると良い」

「それとアイテムを落とす様じゃったら拾っとくと良い」

「フルグルは、収納ボックス持っとるじゃろう?」

「あれ、ばれてましたか」

「いくつか儂が知らない魔法も作っているのも解っとる」

 お婆様は、なんでもお見通しだなばれない様に結構魔法使ってないのに、こんどは……身体強化使ってかりしてみよう。どんだけ殺せるかな?

「フルグル体力もないのだから身体強化をそろそろ使う事を進めるぞ」

「使ってないのもばれてましたかぁ~」

「冗談で言ったが、本当とは……末恐ろしいのぉ」

「帰りは、転移でどっちに帰ればいいですか?」

「儂の家によって、アイテムを持って来ればお金に換えてやろう」

「もしオークを狩りしていて、肉を落としたらレアじゃから持ってきてほしい」

「解りましたアイテム類は、ちゃんと持ってきます」

「ちなみに、この斧はゴミじゃ」

「最近きていなかったから不明じゃが」

「色違いのオークがいたらそれは、ハイオークじゃから手を出すなよ」

「何故ですか?」

「群れでいる事が多いいから一人でいる時ほど危険が大きい」

「解りました」

 こうして、お婆様は、転移を使って家に戻っていく僕は、そのまま狩りを続けて……夕方までいたのだった。

「これが、肉か……本当に落とすんだな」

「そろそろ帰ろうかな、少し疲れたし」

転移ポータ」を唱えて、お婆様の書庫にいく。

「戻りました」

「遅かったな」

「これアイテムです」

「それと肉が二個落ちました」

「一個は、ディアントゥスに渡してくれ」

「これ、もしかして食べれるですか?」

「美味いぞ」

「じゃが、フルグルには、まだ早いかもな」

「何か入れ物あります?」

 このままで持っていったら怪しまれて、お母様に収納の事がばれると思って、入れ物を求めてしまう。結局肉を入れた箱を渡されてそのまま家に持ち帰り、お婆様からとお母様に渡した所凄く喜んでいたのが分かったこれなら今後も、たまに持って帰ってこようと内心思うのだった。

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