タイムマシン
いけだ
僕は未来を見ていた
眩しく照りつける朝日の向こう側に
それはとても僕の目には映せない光で
そしてそれは綺麗なものだったと思う
篝火のように灯っては消えてく今日
その目覚める先にその未来があるものだと
現にも信じていたかっただけだ
朝の静寂の中で息を目一杯に吸い込んで
鼻腔に掠める冷たい空気で目を覚ませば
夢にも満たない日々が待っている
それでも寂しく生き続ける景色は
こんな未来に反射して過去を
朧げにも照らしだす
思い出せば思い出す程に側にあった
幾つもの命の行く先で
僕は感傷に浸ることしか出来なくて
そして、あるべき姿に戻りゆく
この惑星(ほし)が僕の目に尚も映り続けている
ならば命は永遠に続いてゆくものだろうと
この次元を遡るほどの矛盾に
僕はただ抗っていたんだ
消えそうな光は過去の沿線上で今も漂い続けている、そう信じて僕は旅をしている
誰もいない世界に僕を存在させないため
誰一人としてその世界で生きさせないために
ただただエンドレスエイトの中で一つの抜け
道を探している
もしもの未来が
いつかくるはずの未来だというのなら
僕はそれをこの手で掴もう
必ず、僕の手でその未来を掴もう。
タイムマシン いけだ @tomoya_1220
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
近況ノート
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます