第78話 超一流のアーティストでも・・・

あまりテレビを見ないのですが、しばらく前に「プロフェッショナル」という番組で、シンガーソングライターの宇多田ヒカルさんが特集されているのを見ました。


以前から、彼女をテレビで見かけることは少ないイメージでした。(さらに自分はテレビを見ないのでますます見かける確率が低いです・・・)せっかくなので録画しました。彼女の姿に、彼女の語る言葉に、私は深く感動しました。


彼女がわずか15歳だった頃にリリースしたアルバムは空前の枚数を売り上げました。作詞、作曲も本人が手がけていて、大人っぽい歌詞も15歳とは信じられませんでした。


語学力もネイティブなのに、日本語の歌詞のセンスも素晴らしいので、なんて不公平なのだと思わずにはいられませんでした。あ、私はすぐ嫉妬するので・・・どんなに末端でも、自分はアーティストだと思っていますからね・・・


驚くほど若い時代からハイクォリティ―な楽曲を量産し、伝説の存在になった彼女。天才の名を欲しいままにする特別な存在なのだと信じて疑いませんでした。


ですが、番組を見ていると・・・自分は彼女を、色眼鏡でとらえていたのかな、と気付きました。彼女の語る言葉は、創作者、表現者としての苦労は、自分と何ら変わりないと気付かされたのです。


「自分の中にそれがあるとわかってはいるけれど、取り出せるまでに途方もない苦労がある。何度も取り出し、これは違うとやり直しながら、自分の中に深く入り込んでゆき、気の遠くなるほどその作業を繰り返してみてやっとたどり着ける。


創作するとき、本当にできるのかその時にはわからない。それが見つかるのかどうか、なんの保証もない探検隊のようにそこへ踏み込んでゆく。できるとわかっていることをするなんて価値がない。」


記憶を頼りに書いているので、彼女の言ったことを正確に再現はできませんが、このような発言だったと思います。私自身が受け取ったニュアンスに変換されているかもしれませんが・・・


彼女のこれらの言葉に、私は深い感銘を受けました。


私も作り手として、小説を書きながら、果たして最後までたどり着けるのだろうかと常に心もとない気持ちでいます。最後まで書き抜けた作品など、今までほんの数えるほどしかありません。ひとりぼっちで書きながら、すぐに挫折していました。私が書こうが書くまいが、誰も困らないし何の責任もないのです。


だけど今度こそ、私は自分を表現することを目指してここまで来ました。自分がやり遂げられるのか常に疑わしく思いながら、心細い気持ちで・・・


それでも宇多田ヒカルさんのような超一流の人ですら、私と変わりない未知の苦労を味わい、私とは比べようもない途方もない責任を抱えながら取り組んでいたわけです。苦悩の連続で、常にギリギリまで追い詰められながら彼女は活動し続けていたのでした。


勇気をもらうことができました。


私も時にくじけそうですが、書き続けようと思います。


とは言え小説、最近はストックが薄くなってきて更新まで少し時間がかかりそうです・・・


微妙な作品ではありますが、読者の皆さまにはとても感謝しています。引き続き、追って下さるととても嬉しいです。


皆さんの存在が励みになっています。すでに共同作業ですね・・・(笑)


今後ともよろしくお願いいたします!

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