夏休み
夏休みに入った。それと同時に、俺は朝比奈と付き合い始めた。時を同じくして、桂木も川端と付き合うことになった。
ここで少し事の発端について説明する。1学期の終業式当日、俺は桂木に告白した。
「やっぱ俺、桂木のことが好きだわ」
俺は桂木にこう言った。しかし、桂木の返事は、
「ごめん、アンタとは付き合うの無理や」
だった。つまり、桂木は俺の告白を振ってしまったのだ。そして俺が傷心で帰路に着いた時、先にマンションに戻っていた朝比奈に告白されたのだ。
「私は上田くんが好きです。大好きです。よかったら付き合ってください」
朝比奈の言葉は真剣だった。でも知り合ってまだ1ヶ月しか経ってない。しかし、それは桂木もだし・・・それに朝比奈は桂木に劣らず美人だ。
『綺麗に整えられた、長い黒髪と雪のように白い肌が特徴的な美少女』
それが俺のイメージする朝比奈だった。そして俺はこう考えているうちに、朝比奈にこう返事をした。
「ありがとう。俺を好きになってくれて・・・付き合おうか」
こうして俺は朝比奈と付き合うことになった。そしてこの日のうちに、桂木も川端と付き合うことになったようだ。
◇ ◇ ◇
数日後、俺たち4人は日帰りで海水浴に出かけた。初めて見る朝比奈と桂木の水着姿。豊満なバストの朝比奈に対し、桂木のバストは小ぶりだった。
「アンタ、おっぱいの差で彼女決めたんちゃうやろな?」
「んな訳あるか」
朝比奈の水着姿を見た桂木は俺につっかかってきた。これには流石の川端もたしなめる。そして朝比奈も、「雄一はおっぱいで決める人間じゃないよ!」と言ってくれた。
結局この日は4人でビーチバレーをしたり、海で泳いだりした。帰路に着いた時はもう夜だった。
しかし、お腹空いたな。ただそれは朝比奈もそうだった。結局俺と朝比奈は駅前のレストランで夕食を取ることにした。
「雄一、無理してない?だって、陽菜のこと好きなのに、特に好きでもない私と付き合って・・・」
「別に無理なんてしてないよ!だって萌絵、めっちゃ可愛いから・・・」
「私、雄一が気配りできる人だってこと知って、好きになったんだと思う」
「俺も萌絵と付き合うことができて幸せだよ」
「ありがとう・・・」
俺はハンバーグセットを、朝比奈はパスタとピザのセットを注文した。夏なので、冷たいドリンクバーが恋しい。そのためか、2人ともドリンクバーの飲み物を注ぐ時、大量の氷を入れていた。やっぱり暑い夏は冷たいコーラが一番飲みたくなるものだ。
そして食事を済ませ、2人の住むマンションに戻った。そして、
「ねえ雄一、まだキスしてなかったね・・・」
「あっ・・・」
「私、キスするの初めてなの」
「それは俺もだよ」
「そっか。なら安心だね・・・」
そして、お互い顔を合わせ、お互いの唇が触れあった。これは俺にとっても、朝比奈にとっても、ファーストキスだ。それは脳が溶けるような、とても柔らかい感触だった。そして・・・
「ダーリン、ありがとう!今日は楽しかったよ!」
と俺に笑顔を振りまく彼女の姿は世界一可愛かったのは言うまでもない。
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