第6話 Jさんの超絶イケメンの息子さんの話
前回、むちゃくちゃ重い話をしておいてだな、こんな軽い話題は気が引けるんですが、アテナイで書いてたら、長くなりすぎたので、こっちに持ってきました。
文体ちょっとアテナイのままですいません。
〜〜〜
事情があり、Jさんの息子さんの話は、しにくい。
書こうとするなら、Jさんの話からしないといけない。それは別に書くことにした。ここではJさんの息子さんの話まで辿り着かないため、とにかく話をすすめたい。
気になる人は、先にJさんの話を読んでください。
Jさんから、俺が得た情報で、一瞬でJさんの息子さんをネットで見つけた。本当に便利になった。こちらではほとんどの人が本名で登録するから。俺が絶対に本名を明かさないようにするのは、念のためだ。
ちょ、これ見ろよ。
Bを呼んだ。Bも俺も、Jさんの息子さんの写真を見て固まった。
Jさんの息子さんな、超絶イケメンなんだが、アメリカにいた時の俺らの共通の友人とそっくりだ。
俺たちが出会ったのは、ほとんどそいつ繋がり。そいつがいなきゃ、俺たちは出会ってない。3人で話したことは一度もないが。
黙ってしまうほど瓜二つだな。国も何もかも違うんだが、経歴、パターンも似てる。似てるが、無論、同一人物ではない。だから俺たち、一瞬、調べて出てきた画像を見てな、
「見ろよ、これ……」
と、長い間、絶句した。他人の空似が恐ろしかった。そっくりだった。人生でどんな意味があるんだろう。俺らは、二人とも同じ思いで、黙りこくった。怖い。
まあ人種的に言えば、別に敵同士とかではないが、すり替わっても、わからないくらい似ているか?Bはそこまで似てないというだろうが、立場的に、何というか、いろんな機密にアクセスするには、お互いバックグラウンドが似ているな。アクセス可能になりそうなバックグラウンド。親がな。向こうの親は@@`@に勤めたことがあるからな。
親、一般人なんだけど、まあ、国の役に立ちそうな人間だな。
俺たちみたいな一般人じゃない感じだな。
まあその話はいい。身長は190センチ近くあり、Jさんと奥さんの息子だから、俺の知る中でも最も顔が整ったイケメンだ。
Jさんは誰に似てるかな。古いタイプのジェームス・ボンド的なんだが、Jさんの息子は、クールでも甘いマスクで、甘さが勝つ。
……ってことはだな、近づいて来られたら、女の子が卒倒しそうなレベルのイケメンです。俺、会ったことないが、多分、Jさんの息子さんが俺の知ってる人の中で、一番かっこいいに近い。美しいとか、綺麗というんじゃなく、カッコいい。凛々しい。
まあ190センチを超える身長って、でかいと思うな。JさんとBよりデカイ。そこにいるだけで威圧感があるんじゃないか。JさんとBが並んでもかなりカッコいいが。二人が並んで冬の木立を歩いていた時、絵になるなあ、と俺は思った。
ちなみにB、身長いくらなの?と聞いてみたら183だった。Jさんはもうちょっとだけでかいが、縮んだ、と嘆いていた。年取ると縮むと言って、本当にショック受けてた。1〜2センチ?少しずつ低くなるらしい。恐ろしいな。
アニマ・アニムスという言葉があるが、人類共通で、この人が運命の異性、みたいなレベルでのカッコ良さ。好みがあるだろうが、万人受けする顔立ち。Jさんの息子さんは、なんかそういう感じだった。
Jさんちに息子さんの写真がたくさんあるが、どれもこれも、男から見てもカッコいい。
日本ではあまり出会わないのは、スポーツも一流、頭脳も一流、また性格が恐ろしい。優しく見え、そうでないというのは、自分や兄貴とちょっと似てる。
奥さんから片鱗が見えるんだが、Jさんの息子さんは、ものすごくクールな性格をしているらしい。
Jさんは人情派だが、息子さんは、比較的、血も涙もないような性格らしい。
「冷酷な人事」で有名なんだそうだ。
なんかわかる、それ。
Jさんのような人に育てられたら、むしろ、逆にそうなるんだよな。冷静に計算し、血も涙も無いような決断力。そうじゃないと、殺されるかもしれないストレスが無意識にかかってきたんだろう。Jさんは恐ろしかっただろうから。そういえばこの息子、某国の任務に確か、ついて行ってないのか?当時、何歳だろうか。俺の記憶が正しければ、そうだな、8歳くらいじゃないか。連れて行ってたとしたら、誘拐が怖いな。
それ聞くの忘れてた。
Jさんというのは、鍛える時は徹底的に、がモットーの人だから、息子を敵みたいに叩きのめすように鍛えたらしい。こええ。
今でこそ、優しいおじいちゃん、俺にはベタベタに甘いが、息子には、すごかったらしい。
テコンドーて知ってる?
Jさんは現役時代、合気道で週3でトレーニングしていたらしいが、テコンドーの教室に息子を通わせ、息子に毎日、いつも稽古をつけていて、それが「もしかして息子死ぬ?」っていうくらいめちゃめちゃに叩きのめしていたらしく、息子が「テコンドーで死ぬかも」という感じになり、ある時、負け始めたらしい。
Jさんがな。
息子はティーンエイジに差し掛かると、これまで殺されそうだと思っていたところから挽回し、Jさんを叩きのめし、テコンドーやめたい、と。
なんかわかるな、それ。
とりあえずここまで来たので、やめさせてください、俺、テコンドー嫌いです、ってことなんだろう。よくわかるよ、それ。
テコンドーだと、合気道や空手と違い、実践的だろ?俺はテコンドーは全く詳しくないが、俺はやるなら合気道。俺は、無駄な戦いは嫌い。アテナイで最初の設定を拳法にしたのは、合気道じゃ、相手をそんなふうに傷つけるような戦法じゃないから。合気道をこっちでやろうかと、何度も友人の道場に見学に行ったが、俺はどうしても入門する気になれなかった。
俺さ、「棒」使うのは嫌なんだよな。合気道って、知らなかったけど、稽古に長い棒を使う。流派によるのかもしれないが。だから、失敗したら、歯を折るかもしれねーじゃん。歯だけは嫌。俺、歯を大事にしたいから。顔にあんまり変化あるの嫌なんだよ。ボクシングとか全く興味ない。マウスピースとか嫌。柔道とレスリングはちょっと似ているが、俺は「組み合う」のは嫌なんだ。だから剣道を選んだのかもしれないが。柔道も経験あるよ。俺が得意なのは受身だけ。柔道は耳が餃子になるからな。でも柔道はそこまで危険じゃないという意味で、俺も参加できるよ。高校の時は週一でやってた。おとぎの国でも、何度か稽古の見学は行ったんだが、一応手術前だったので、手術が終わったらということで、それきりになってしまった。
一回軽く額を切ったことがあり、結局縫ったんだけど、国際電話でちらっと母さんに言っただけなのに、帰国した時、ばーちゃんが「岬、顔切ったってどこ?見せなさい……傷残るんじゃないの?」と心配していた。
いや、ばーちゃん、そんな額のど真ん中じゃないよ。笑っちゃうだろうが、額の傷なんて。目じゃなくて良かったよ。目だったら、いろいろアウト。そんなわけで俺は、ただでさえ暴力的な場面が多い海外で、棒で敵を叩きのめす稽古とかしないよ。そんなふうに自分の凶暴性を磨いても仕方ない。
ブラジリアン柔術は柔道と違い、そこそこアグレッシブ。2度ほど参加したが、おれはBとは組むのやだ。Bは無駄に重い、ガタイがデカイからムカつく。なんかちょっと鈍いのに間違ってヒットさせちゃったら、スッゲー痛そう。柔道はあんまりそんな苦痛に感じる動きない。空手なんかも結局、型が重要だから、ちょっと違う。合気道も同じだな、と思っていたが、棒を使った稽古見て、これ、まかり間違って顔に当たったらやだな、道場が狭すぎる、と俺は思ってしまった。土地の高い一等地にある道場なのだから、狭いのは仕方ないが。
軟弱かなあ、俺。合気道は、やる気満々で出かけ、棒の稽古するには道場が狭すぎて危ない、と俺は萎えちゃったんだよね。いやほんとに危ない、俺、片目の視力悪いからね。
合気道って、もうちょっとアグレッシブさはマイルドと思ってたけど。違うな。少なくとも、棒は竹刀でない木刀。当たったら痛いです。竹刀なら遊びのレベルだけど木刀だと歯折れる。竹刀だと、なんやかんや言ったって、ダメージそんなない。あ、木刀でなく竹刀を使うんなら、抵抗なかったかもな。竹刀でも、防具なしに、急所とか突かれたら、当たり前だけど痛いし、危ない。俺はしばらく剣道をやっていたから、竹刀や防具、袴など稽古着は一式持ってる。振り返れば、やはり自分に一番合うものを選んでいたのか。怪我したくない、組み合いたくないなら、剣道は確かにそうだ。
柔道着も持ってる。まだ実家にあるかどうかは知らないが。アグレッシブというと、時々ブラジリアン柔術とごっちゃになる、クラブマガ。あれは攻撃的。俺にはちょっと無理だが、Bは友人が参加していて、2回ほど出かけて行った。俺も見ていたらやりたくなったが、クラブマガは急所のプロテクターがあまりに間抜けすぎる。俺は、Bがその場で購入したケースを見て、俺はやめとこう、と思った。
普通に蒸れないか?これ。
やっぱり、少林寺拳法がいいんじゃないかな。機会があれば、見に行ってみたい。俺は空手は見学に何度か子供の頃に行って、やる気満々だったんだけど、母さんが、絶対にやめてというから、剣道を習って。剣道は兄貴もやってたよ。兄貴と勝負したことはない。
まあ話はズレたが、Jさんの息子さんは、Jさんがそんな無茶な鍛え方をして育てた息子であるから、やるスポーツが、Jさんに輪をかけていて、ロッククライミングだとか、ダイビングとか、スカイダイビングだとか、写真を見たが「死ぬぞ」ってような難所にトライしていた。俺は、ロッククライミング、スカイダイビングは経験ない。ダイビングはある。俺、水の中は苦手。
いいなあ。俺みたいな軟弱なんちゃってサバイバル趣味(ネット情報で知ってるだけ)とは比べ物にならない。クルーザーかなんかで、水上スキーにパラセーリングと、めちゃめちゃにハジけてる。そんな冒険してどうすんの。アクティブも度を越すと、周りがついていくのが大変すぎる。Jさんたちの去年の夏休みは、死ぬぞ?ってくらいの行程で、一体どんなカップルとファミリーが、こんな大冒険を夏休みにするの?というようなグランドキャニオンツアーだった。
飛行機で回るとかじゃなく、徒歩で行くグランドキャニオン。温度、何度って?40度軽く超えてる?えっと岩石砂漠みたいな場所を上り下りというか、老人が行くツアーじゃないと思うんだけど、ちゃんとJさんの息子さんの義理の両親も参加してて、一体どんな親だよ?と思った。とにかくスケールが違う。
俺、Jさんから、リアルタイムで「今ココ」と、ラインで送られてくるアメリカ旅行の写真だけでお腹いっぱいになっちゃった。俺も本当はグランドキャニオンに行こうとして、従兄弟とラスベガスで結局、遊んじゃって、冒険まで全く到達できなかった話はしたっけ?
どこまで俺らは軟弱なのか、本当におかしいんだけど、Jさんは何も言わない。息子でなくてよかった。息子だったら、大変なところだった。Jさんも奥さんもタフすぎる。Jさんって、しばらくものすごくハマる方の人らしいんだけど、毎週、奥さんと自転車で100キロ走破してたとか、どんなカップルだよ。100キロ?
その話で、Jさんが、俺もクルーザー持ってたんだけど、あれって結局どうなったっけ?と奥さんに聞いていた。
ある任務でめちゃくちゃに儲けた後、儲けたって言い方は適切じゃねえな、お国のためだから。臨時収入があった後に、買ったらしい。
でもそういうのは特例に近く、普段は「普通の公務員」だから、あんまりそういうのはない、慎ましい普通の生活と言ってた。
Jさんもあっさり、どうなったのかな、なんかで済んじゃうあたり、ギャンブラーだ。だから、俺も、兄貴もJさんも比較的、話が合う。逆に、Bと奥さんは話が合う。あの二人は、俺たちのことを野蛮な人種だと言うんだ。奥さんはともかく、Bはどうなの?実際、Bは鈍いだけなんじゃないの?Jさんと出会って、Bの良さというのが、どうしても霞んでしまうのは仕方ない。Jさんの方がスケールが大きいから。でもそれって、Bと比較するのは酷だよなあ。Jさんは普通の人じゃないから。俺なんて、もっともっと軟弱な男なんだし。
そういえば、うちの父さんも母さんも、俺が武道に興味を持つことについて、ニュートラルだったね。空手はやめて欲しい、これ以上、兄弟喧嘩が激しいのは困る、ということだった。俺は代わりに剣道をして、実はフェンシングの方がいいと思っていたが、クラブがなかった。剣道、俺の中ではあんまりいいスポーツじゃない。剣道と柔道なら、剣道を取る。それだけ。柔道と空手なら空手。剣道と空手なら、空手。不思議だが、はっきりしている。空手と合気道なら合気道。合気道と少林寺なら少林寺。
父さんに鍛えられた記憶、とか、あんまりそんなのはないな。でも父さんは大学で柔道部だった。そういえば、サッカーでさえ一緒にしたことない。キャッチボールならあるかもしれないが。ああ、あと釣りもある。平和だな。俺は子供の頃、小学生の時は、ラグビーとサッカーをやっていた。サッカー好きだったけど、やめちゃったのは、なんだかチャラいと思ったからだ。やってるやつのメンタリティ。俺はもっと硬派な方がいい。ラグビーの方がいいけど、ラグビーはあまり一般的じゃなくて、指導者が辞めちゃったら、それきりになって。
Jさんの息子さんは、隣国に近いところで、この国以外の国ともネットワークがたくさんある仕事、マネージャーのような立場で2、3カ国に出張ばかりしている。民間企業。
やっぱすごい稼いでる?
Jさんに聞いてみると「うん」と答えた。
それって珍しい?と聞くと、Jさんはうん、と。この国って、給料体系的にある程度、学歴なんかで想像つくようになってるんだけど。Jさんの息子さんは院卒。
やっぱね、日本も思ったんだけど、国土にしがみついててもダメだね。鎖国は諦め、侵略されないように注意しながら、自分の国が得するように、そんなふうに国際ネットワークの中心にならないとダメだね。国民のほとんどが英語が話せないとか、それはおかしいよ。有名な話。日本じゃ英語が通じないから不便だと。
Jさんの息子さんは公務員じゃないんだが、他国とも深い繋がりを持つ国際的な企業だと、いろんな時節の影響も受けるが、やっぱりその時々、うまく立ち回って、ダメな時はこっちから、あっちからと、いろんなところからその都度、利益を吸い上げることができる。リスク・マネージメント。
日本の中だけだと、たかが知れてるから、この国がダメならこの国と取引増やすとか、時節に合わせてやっていけるから、国際的な企業はいいよ。当たり前の話か。俺、あまりビジネスを語る資格ないな。
Bは現在、半分公務員だけど、Jさんとその息子さんについては微妙な立ち位置でいる。Bはね、意外と負けず嫌いだから、見るからに負けてるとかには我慢できない。だから、BとJさんはなんとなくソリが合わない。Jさんはそんなことないのに、絶対Bのこと悪く言わないのに、Bがダメなんだ。嫉妬だね。Jさんは物理的に強すぎるから。
BはBなりに野望を持って駒を進めてて、俺なんかとはキャラが全く違うから、Bは自分が負けているという状態が耐えられない。
俺は常に全く無責任な傍観者である自分を何とも思ってないが、Bは権力や名誉、地位にすごく固執する方。
俺がJさんと気を合わせ、遊び仲間で始終、連んでいるのが気に入らない。
Jさんには絶対に年齢的にも勝てないからね。親以上の開きがある人だもん。ただ、年には勝てない、とJさんはよく知ってる。Bもそう思ってる。
Bの場合、人が自分の上に立ってくるってことにすごく違和感を感じる方。偉そうにしたいんだよ、何でも。
だから普段ずっと、紳士で洗練された柔らかな感じのBなのに、Jさんと一緒に、ニコニコ楽しく遊んだ帰りなのに「俺は年寄りと付き合うのはごめんだ」といきなり素になって、言ったりする。
B、Jさんを年寄り扱いするなよ。信じられないな、お前。やはりこの辺が、違う。年功序列的な考え方かもしれないが、俺なんか、案外、上下関係すごく気にする方だから。上の人、先輩は、上から下へ落ちることはないから。
Bはね、外ではいくらでもうまく人と付き合えるが、内実、かなりはっきりしていて、裏切ったりする時は怖い。Bは、ぐっと我慢して、裏切れる時が来たら、時限爆弾を爆発させたりする方。そういう意味で、俺はBのことは心からは信頼していないのかもしれないな。
驚かれるかもしれないな。俺、Bのこと当たり前に好きなんだが。矛盾してるだろ?
なんでそんなやつと一緒にいるの?と言われたら、やっぱり気に入ってるからだろうが。不思議だよな。Bというのは、本音と建前と見比べたら、建前の方が多い。
俺は本音しかない。だからBといると、俺らは特殊な組み合わせになる。俺の尻拭いを実はBがやってるみたいな関係になる。で、Bはなぜ俺と一緒にいたいのか、多分、俺みたいに自由すぎる人間をそばに置いておくと、見てて面白いというのがあるんだろうな。俺、よく考えたら、すごく自由すぎる部分と、ものすごく古風な部分が混在してるわけなんだけど。
それだけで、恋人も作らずBは俺と一緒にいるわけ?いやBの場合な、恋愛の項目で書いたけど、不毛な恋愛ばっかりだからな。絶対うまくいかない恋ばかりをしている。B、もしかして不器用なんじゃねえ?あのスマートさからは想像もつかないが。
あ、あはは。絶対そうだ!あはははは。
俺は、思い当たることがいっぱい出てきて、思わず膝を打った。
B、お前、女に不器用!
俺は恋愛は苦手、結局、モテても、女とずっと一緒にいる覚悟もリスクも金もない。家族も要らない。俺、最初から最後まで無責任かなあ。俺を説明するキーワードって最悪だな。
俺は変わってるかもしれないが、好きになっても、俺はその女の全人生を責任取れる気がしない。だから、俺は距離を置きたいといつも感じるし、多分だけど、口でいうほど、案外、性欲ってないんじゃないかな、実は。女、イコール性欲じゃないだろうが。
いやほら、愛とか、癒しとか?
俺にとっては、女という存在は、あんまりなあ。「責任」が前面に出て来てしまって、その時点で、既に俺は、「俺、そこまでの関係を貴女に求めません」と思ってしまうからなあ。
俺にとって、迫ってくる女は鬼門であり、うっかり手を出そうものなら、鎖で繋がれ、牢獄行きの感覚があって、「美味しい毒入りケーキ」だもんなあ。
毒が入ってるとわかってて食うヤツ、いない。
俺にとっては、「深い人間関係」はリスクでしかないし、元々、俺の予定では、とっくに俺は死んでるはずだった人間。
だから、大人の男女関係を責任もって築くとか、そういうの、できないと思い、回避してしまう。人を好きになるというのは怖い。
好きになるのは怖くないが、相手から好かれるのが怖い。
俺は、相手から好かれたり、求められたりすることについて、本当にダメなんだ。それは不思議だったが、その時点で俺は、抱きしめられた小さなウサギみたいに、とにかく何とかして逃げ出したくなる。
俺は子飼いは嫌。
俺は自分が好きになる人からは絶対好かれないという、いつもそういう恋愛になる。俺、自分のことを好いてくれる人のことを信用しないのかもしれない。「ダメじゃない、そんなんじゃ!!」って言うような人を好きになっちゃうんだよなあ。面白いことに。だから永遠にうまくいかない。なんだろう、この不毛なスパイラル。
そんなんじゃダメ、もっと頑張らないと、と言ってくれる人が好きで、時に本当に見捨てられるんだよなあ。いつものパターンだ。見捨てられて、這い上がる俺。
子供も家族も要らないし、確かに寂しい時もあるが、だから@@@@ちゃんと俺がベッドにいるわけで、Bに「お前、子供かよ!」と言われても、そう言えば、大爆笑した映画に「テッド」ってあったな。
あの品のないぬいぐるみな、俺が見ててゲラゲラ笑ったのは、Jさんって、ああいう感じがあるからなんだよな。
俺とJさんって、そういう意味で、俺とテッドみたい。Jさんは漫画みたいにサバイバルな人生来た人だけどな。
Jさんがそろそろ俺に、お前なあ、いつまでもそんなじゃダメだろう、と言う。Jさんも紳士だから、はっきりは言わないけど、進歩がなさすぎるぞ、岬。
お前、いつまでも子供じゃないんだからな。
JさんはBについては何も言わない、言うことない。Jさんが全く下手に出ていてなぜうまくいかないのか、「とにかく自分より上は全部、気に入らない」B。
Bは表面上はニコニコして、Jさんの誘いも2回に一度しか断らないが、できるだけJさんに会わないで済むスケジュールを立てる。嫌なやつだな、B。お前、最近ほんと、嫌なやつ前面に出してるぞ。
Bはサッカーしても、何しても、何故か、さりげなくJさんに競争心を燃やす。まあ、強さや経験じゃ叶いっこないせいか。はは、それにB、お前な、サッカー下手すぎる。ボール、ドリブルしたことないのか?
Bは見た目、そんな鈍臭く見えないから、女の子に見られたら、100年の恋も2秒で冷めるぞ。あまりに下手すぎて、ボールを蹴ろうとして、スカッと空を蹴った時、俺は、B、お前な、そんな運動神経じゃないはずだろ、と真剣にそう思った。Bは運転はうまいぞ。俺はな、運転下手なやつの車には絶対に乗らない。
Jさんの運転はとんでもないから、俺は嫌。JさんはびっくりするようなUターンとかして、俺を絶句させる。周り見てないだろ、確認してないだろ。Jさんよく死なずに来たなあ。
おい岬、そっち見ろ、大丈夫か?っていちいち俺に聞くなよ。知らねーよ。
Jさんと一緒にいるときの癖が、ついちまうじゃないか。
Jさん、覆面パトのランプなしに無茶やったら、道交法違反にポリが飛んできますよ。(日本なら)
Bはサッカーが本当に苦手らしい。ボールを使う球技は全部ダメだ、と言った。
Jさんはリタイヤしていても、精神的には現役だから、争うと殺されるぞ。今でこそ、Jさんは体が悪いとか言ってるが、海で泳いだ時、筋肉モリモリだったぞ。
お、俺より筋肉ありますね、Jさん。筋肉の話は、アテナイに書いたから割愛。
実は俺、無駄な筋肉嫌い。脳が筋肉でできてる、って言葉、思い出すし。かと言って、ヒョロヒョロは論外。
だからプロテインとかを飲んでトレーニングっていうような不自然な筋肉でない、実際に使える筋肉がいいです。実際に使える筋肉っていうのはな、柔軟性がある。モリモリしないんだよ。
兄貴の筋肉はその点、そんな感じだな。見た目わからないが、すごいガッチリしている。精悍な体。なんというか見かけより体重重そうな体。昔からずっとそうだ。兄貴は早い段階で、中学入ってすぐにはもう、ベンチマシン使ってたくらいだから、何だよその美意識。あまり早くからやると、身長伸びなくなるぞ。
そう思ったら、次は、脚を引っ張って伸ばすやつを部屋に取り付けていた。俺、そこまでするって、すごいな、と思ったけど、俺は試したことない。
重いものなんかを常に使うような仕事してたらな、筋肉はほっといても自然につく。俺は、「見かけと違い馬鹿力」とよく言われたが、家系なんだよな。父方の家系はみんな馬鹿力。
でも、俺ほんと最近ダメだわ。重いものなんて、持つことなくなってるし。テコの原理使用ばっかり。ひ弱さに拍車がかかる俺。
話があちこち飛ぶが、冗談じゃなく、俺は何度もJさんがカッと来てる場面を見たことある。敵に回すと本当に危ない相手。もちろんJさんは身内意識が強いから、友人や家族にはそんなことは一切ないが。
あれくらい一瞬でアドレナリン分泌量が爆発的に上がらないと、武器持ってわけわかんない場所に出動できないんだな、と俺はそんなこと考えるのはおかしいが、思わずそう思うよ。
これくらいじゃないと、死体運んだりできない、死んでる人は生き返らないからいいものの、自分を本気で殺そうと武器持って向かってくる人に対峙できない、と俺は何度もそう思ったよ。いつ死んでもおかしくない仕事ってすごいね。俺じゃなく、Jさんな。
ここは日本みたいに、おまわりさん、迷子になったけど……と言うような牧歌的な世界じゃないからね。俺、何度も警戒中の人に道聞いて、その反応見ると、あんまり道とか聞く人いないんだなあ、と思った。相手は機関銃装備してるからね。話しかけられたら身構えるよね。なんかあったらその場で射殺しないとダメだから。
そういう日常だもんね。警備の邪魔すんなよ、と怒られそう。暇そうな警備の人は、写真に収まってくれたりもするよ。俺、人畜無害な気ままな旅人に見えるからね。ロコには到底見えない。大抵、ちょっとこの国に立ち寄ったばかりの観光客だと思われる。見かけでいつも得をする。
Jさんの場合、そういうタイプの警備じゃなかったと思う。まあ単純な歩兵じゃないよね。この国以外でって、選ぶ選択もすごい。その話をちょっとBの従兄弟にしたんだけど、世界共通のようだった。
プロなら家屋でもどこでも、警備してたって、簡単に侵入できる。目をつけられたら終わりってことだね。Jさんにどうやってと聞いたけど、本当に驚くぐらい単純で。でも当たり前だけど、そんなふうに不法に侵入する道具なんてスーパーとかホームセンターとかで、普通に売ってるわけじゃないから。泥棒じゃないよ。物を盗むために入るわけじゃなくて、強制的に身柄拘束のために入るんだから。
不法な侵入でも、国家権力の名を元に、ちゃんと令状が。あ、だから不法じゃないわけで。でも夜間、他国の大使館に断りなく侵入するのは当然、不法侵入だよ。相手も相手だね。いつでも侵入できるという脅しというか、誇示というか、クギを刺すっていうのに近いね。すごいなあ、そんな仕事。どうせたいしたことは、何も起こんねーし、とのんびりできるような仕事じゃあないね。
この間、奥さんに写真を見せてもらった。なんと、Jさんたちは大使館の同じ建物に途中から住むことができたらしい。ちょうど軍警察から来てた他の人が帰国するタイミングで。究極に職住近接。でも、共産圏でも、そこだけ自国という感じになるらしい。あんまり現地の民間人と接触機会はない。
でも治外法権の場所で、っていうか、Jさんも奥さんも、やっぱり器が違う。いや俺みたいに、気が小さい男は、布団の中でぬくぬくしながら、こええ、漫画みたいな話、俺は漫画の世界だけでいいや、って思っちゃう。とても真似できない。すごいストレス下でも全然平気ってことだね。俺なんて、実家の会社の土地売却の問題だけで、死ぬかも、痛い、って言ってるのに。
Jさんたち警備中に眠らされて、@@@に侵入されてたって話も、それって侵入自体には意味ないから。
俺たちはここまでできますよ、というお知らせだったらしい。要らねえよそんな知らせは。
いやでも、防ぎようがない。四六時中、ガスマスク姿で警備するくらいしか方法ないね、そりゃ。
俺はマニアだから、普通のマスク(粉塵用)は持ってるけど、有毒ガス対応のマスクは持ってません。だってそんなあぶねーガス、普通は発生させないでしょうが。
日本人で俺の知ってる中で、Jさんくらいそういうサバイバルな経歴の人はいない。あ、でも王子くんのお父さんは警察だし、あの子のお父さんもそうだった。
Jさんは「俺は、特殊@@じゃなかったし、試験も受けてない、全然のペーペーだった」と言っていたが、俺はJさんの特殊@@の友達に一度会わせてもらったことがある。
緑色の顔色をしていたが、それは体が相当悪くなってるせいだろう。被曝したな。
まあ、駒の一つの状態になってるから、人の命など何とも思っていない上からの指示だ。そういう場所のすぐ近くにいたJさんと一緒にいると、リタイヤ後に俺と出会ったのって、何か引き合ったのかな、と不思議な気分になる。
現役の時だったら出会えてない。俺はひ弱すぎる、何もかも。
Jさんが、俺と息子さんを引き合わせたいな、と何度かお膳立てしてくれたが、全て流れてしまった。
息子さんが遠方にいるというのもあるが、俺は、Jさんの息子さんに会うのは微妙だな、と感じていた。
それは俺が、似ている人とすでに友人、でも、もう会うこともないだろうというその流れからきてる。
多分、水と油みたいに、混じり合うこととかはないんじゃないかな。紹介されたって。
Bもそれをわかってて、最初からすごく俺とJさんが親しくするのを嫌がった。Jさんの息子さんがやつにそっくりな顔をしているというのは、Bに取っても衝撃だったらしく。
実は俺とBが出会ったのは、そいつが間にいたせいだ。この話はまあ、しないかもしれない。
とにかく、イケメン同士というのは、非常に微妙なわけで、場に並ぶと、目線を奪い合うような感じになる組み合わせは、うまくいかないんだよ。
俺はそんなじゃないよ。だって、俺、全く負けず嫌いじゃないから。俺はね、外見で俺を判断する人は、俺の見かけに騙されてるな、って思うだけだから。むしろ、馬鹿だよね。中身を見抜く目がないってことで。だから外見だけ気に入って近づいてくる人と、仲良くなることはない。
そいつの場合、ものすごく負けず嫌いで、その場の女性全員の視線を全て自分に釘付けにさせるようなやつだったからな。そうは見えないが、そうでないと気に入らない。優しそうに見えてやつは、ものすごく計算するタイプだった。
頭脳が超一流だから、学歴だって。俺なんて足元にも及ばない。それくらい差があれば良いけど、並ぶような一流同士だと、そこに居合わせただけですごい火花が散るのが見える。怖いな。そいつは俺のことを自由に操ろうとしたが、ごめん、俺もこう見えて馬鹿じゃないからさ。
裏をかいて、結局、二度と会うこともなかった。俺さ、計算に負けたやつは、末路がそうなると信じてるよ。俺を駒のように扱うのは構わないが、ゲームに負けたんだよ、俺は、戦略って意味で、常にゲーマーだからさ。
お前、人をゲームの駒みたいに動かす癖はやめたほうがいいぜ。
俺はそうは言わなかったが、まああいつは、それで孤独なんじゃないかな。俺とあいつはゲームって意味で同じ土俵にいたのかもしれないが、とにかくお前、俺に負けたから。
やつはその後、どうしたのか知らない。
大学の中でもだな、首席だぞ。なのに、就職が今ひとつな、なぜ?というような選択だ。
日本人じゃない。NYに住んでた。もったいないだろ?よくわからない。
やつが最も低迷していた時期に俺は出会ってるから、今どうしてるのかは知らない。以前日本でな、やつと地下鉄に乗ってた時に、目の前に同じくらい背の高い、珍しいイケメン、多分、オーストラリアかどっかの田舎の出身のやつだと思うんだけど、そんな感じの外国人が乗り込んできた。
その時のことが忘れられねえが、一瞬ですごい火花が散ってた。
実はさ、やつは小説書いてたんだよ。俺は読んだことはない。
真剣にやってるらしく、悩みがあったらしい。俺には話さないがな。
理系のエンジニアなのに、小説なんかでは食えないとわかってて、そっち行けないだろ。就職も一流企業に行かず、なんでこんな場末にいるの?って感じの場所にいて、狭い部屋で、小説書いて。そいつもトレーニングしてたな。そいつのトレーニングメニューはわかりやすかった。一ヶ月くらい俺も同じジムにいたからな。
背が高い、筋肉もある、軽々と女を持ち上げられるって意味で、リアル王子様。持ち上げるだけじゃなくて、そのまま延々と歩き続けることができる体力。
まあそういう意味でな、ごめん男はやっぱ頭が良くて強くないとダメだな、と俺は思うわけ。まあでも、そいつはかなり、モテても責任取らない男だから最悪だな。
そいつも、歩けば女が自然についてくるくらいモテる男。でも最悪だったら、意味ないよな。多分、自覚があるんじゃないか。いや、騙すって意味じゃないよ。気が付いたら、迫って来られて、どうすることもできないような状況になるというか。
そういう意味では俺と似てるよな。俺は、逃げる。だって無責任な自分になりたくない。そいつはちょっと多分違う。真面目な子を相手に、遊んでから逃げてるんじゃないか。それは「最低」と呼ばれても仕方ないだろう。恋愛に真剣な真面目な女は精神を病むことになり、やつの場合、いつまでも懲りてないらしいから。
最初から遊びだと言えばマシかもしれないのにな。俺はそんなのは嫌だ。不毛すぎる。
まあいいや、今回はJさんの息子さんの話だから。またにする。
学級会みたいに、お前、モテるからって女を使い捨てにするな、と言ってもしょうがないしな。そんなの、本人たちの問題だし。
この話はここで終わり。実は、やつの仕掛けたゲーム、結局俺は、高笑いして、計算しきれないような動きをして、アメリカからこの国に飛んだ。
俺、頭がいいやつが好きなんだけど、やつは自分で俺にゲームを仕掛けてきたくせに、負けて激怒してるんだよ。
人を自分の思い通りに動かす、なんてできると思うなよ。時々、俺、そういうやつに出会うんだよな。俺、馬鹿みたいに見えるらしく。舐められる。
やつは相当悔しかったらしい。人づてに聞いた。でも俺、このことは書かない気がする。固有名詞とか詳しく出せないから、面白さが全く伝わらない。それに後味が悪い。いいやつそうに見えて、全くそうでないやつの話って、イマイチだ。誠実そうでいて不誠実。まあでももしかしたら、人種的なものがあったのかもしれない。
生物学的な違いって重要だよ。差別に繋がるから、あんまり話題にならないけど。
喋ってて、頭がいいから面白いと思うやつには、その後あんまり出会ってこない。むしろやつは、そんなことも気づかせないぐらいに頭が良かったんだ。俺は途中までゲームに気づかずに、気づいた時は、やられた、と思った。
Bに出会ってすぐだった。
そういう、人を人とも思わないやつって、案外、経歴が一流のやつに多い。素直じゃないやつに多いね。素直そう、まっすぐそう、誠実そうに見え、決してそうではない。何らかのコンプレックスがあるんだろうね。常に一番でいることを選ぶ人は。
自分が一番になるためには、なんでもするような人は普通ではない。
女でも、そういうやつに出会ったことある。一流の大学を出て、院まで行って、一流の会社に入って、こっちに留学して。そいつは自分がサディスティックだと自覚があったらしい。あまり美人じゃないが、たまらないほどブサイクというわけでなく、真っ白な顔に、真っ黒な長い髪、まあ、容姿的に俺が好きになることはない感じの容姿だったけど、ものすごく負けず嫌いな性格が怖かった。その女も、自分が目に見える範囲で、必ず一番でないと気に入らない。自分より可愛い子がいたら、雇った男たちに、その女をレイプさせてでも、排斥しようというような性格で、俺は、出会ってすぐに、この出会いを心から後悔した。この女、サイコパスだ。どうやって逃げたらいいのか、俺は、偶然すぐ近所に越してきたこの女について、一時期、本当に、追い詰められた気分だった。相手の興味の中心をなんとか逸らさないと、恐ろしいことになる。俺は獲物としてロックオンされて、結局、偶然だが、引っ越しで、ことなきを得た。
そんなふうに見えない罠を張るような人、結構見てきたが、まさかというようなことが、俺にはよく起こってくる。ほとんどそんなゲーム、意味がないというのに。そっちの男の方のやつの時も、最初は気づかなかった。
やつらはすごく「良い人」に見える。ああでも、女はサイコパスだったが、男の方は、そこまでじゃない。とにかく「一番」でないと気に入らない。
やつが書いたものを読めば、何を考えているのか、わかるかもしれないが、もう二度とその機会はないな。それにやつの母国語で書かれていたら、俺には読めない。
一個ゲームに負けたら、その後負けっぱなし、という可能性はあるね。噂も全く聞かないし。優秀なやつで、俺は友人でいたかったのかもしれないけど、まあ無理だね。俺って、なんでもいうこと聞きそうなそんな「下僕系」に見えて、実は全くそうじゃない。それって矛盾してるんだが、俺が「従う時」って理由があるんだよ。当たり前だけど、俺だって譲れないポリシーがあって、それに沿って行動してるから。
年取ってる人はそういう意味で有利だよな。「老い先短い」って意味で、俺は老人の言うことは、たとえ理不尽であろうが、なんでも、結構なんでも「願い」を聞いてあげるから。そういう意味では確かに俺は「天使」のようだ。俺にとって時間というのは「無限」で「永遠」に近い。俺は記憶をなくさないに近い。体を乗り換えて、転生してる記憶があると、結局、死んだって、また生まれ変わるだけだから。そうなると、ある意味、人に優しくなれても当然だ。いろんな立場を経験した記憶を持っているし、人の願いはできるだけ叶えてあげたいと思うよな。俺には無限の時間があるから。ある意味、生への執着や欲望が薄くなる。やりたいことは既にやり尽くしてきた記憶があるから。何度も同じことを繰り返しているのだし。
話が脱線したが、Jさんの息子と、実際に会うことがあったら、また書きたいと思う。Jさんの息子は、やつの顔とそっくりでも、中身は当然違うと思う。
真面目に大学生の時の彼女と結婚しているしね。二人目の彼女。一人目の彼女と別れる時、Jさんに相談があったというから、真面目じゃないか。
世界に3人いるそっくりさん、というやつだったのかもしれない。俺の中で、Jさんの息子さんと、俺らの共通のその友人というのは、外見はそっくりだ。鍛えてるって意味でも似ている。
でも俺たちには、今一つ出会いの意味がまだ、わからない。その友人がいなければ、俺とBは出会ってない。そこまでしか、まだわからないんだ。
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