第48話 食い止める人、回す人


金は天下の回りものと申しまして──


お金だけじゃなくて「人の感情」も世の中を循環しているように思う。

「嫌な感情」は回りやすい。嫌な感情はすぐに肥大化して溢れ出してしまう。口から顔から態度からあらゆる所から出てゆく。

一方「幸せな感情」は回りにくい。理由は自分が幸せなことを誰かに伝えても、喜んでくれる場合とそうでない場合があるからだ。受け取る側に「嫉妬」という感情が働けば、それはたちまち「嫌な感情」に変わってしまう。

だから「幸せな感情」は「相手にとって幸せな感情」に変換しないといけない場合がある。そうなるとなかなか回しづらくなる。


この「嫉妬」があると不幸になる。

「人を羨んではいけない」と言われるけれど、それは羨む気持ちが悪い訳ではなく、そこから嫉妬に変わるのが良くない。

「人と比べてはいけない」と言われるけど、人と自分を比べて違いを知ることは、むしろ良いことだと思う。だけど、その違いに「嫉妬」するのが良くない。

最近は嫉妬深い人が多いような気がする。

ブログを見ては、自慢だマウンティングだと言う。

楽しかったんだ、いいな、今度自分もやってみよう。じゃダメなのかしら?


キラキラした人を見て、いいなぁ羨ましい。これは「羨望」

あの子だけキラキラしてムカつく!は「嫉妬」



輝いてる相手を攻撃したって自分がキラキラ出来るわけじゃない。

攻撃することで相手がヘコんでキラキラしなくなることで自分のほうがキラキラして見えるってことかな?そんなマヤカシで満足出来るということが輝けない原因だって早く気づいたほうがいい。



だから何が言いたいのか。

「嫌な感情」が回って来たときに、食い止めることが出来る人がいる。他の人に回さない。自分の中で消化する。

そういう人はだいたい「幸せな感情」を回せる人でもある。

いいなぁ、私と何処が違うんだろう?

比べて、違いを知って、取り入れてみよう。


そこで、この「小説を書く」というのは、幸せを回すスキルを身に付けるのに役立つと思う。

感情を言語化して書くということは、口に出して伝えることだって出来るわけだ。

文章をうまく書けるということは、うまく伝えられるということ。これは人間関係だけでなく、仕事にも育児にもとても役立つと思う。

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