17,000キロ




そういう運命だったのだ、と言われてしまえばそんな気さえする。それ程に私たちの関係は脆かった。


遠距離恋愛と呼ぶには余りにも遠すぎるその距離が、私たちの溝をさらに深めていることはわかっていた。それでもどうしようもなかったのだ。会いにいくには遠すぎる上、費用もかさむ。残業代を叩いてまで会いに行く程の熱意はもはや残っていなかった。


それでも今、疲れ切った顔をしながら笑ってみせたあなたを、何よりも愛しいと感じた。ただそれだけ。


小麦に焼けた肌に似合わない目の下のクマが、彼の多忙さを感じさせる。電話もない、メールもない。そう我儘を言った自分が心底恥ずかしい。



"わからないと嘆くより、バカみたいと否定するより、全てを受け入れてあなたのそばに居たい。"

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心に響く言葉を描け 水無月 漣花 @renka0609

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