第5話

そんな話をしていると、俺はあることに気付いた。


――いや馬鹿な。そんなことがあるわけがない。


しかし一度その思いに囚われると、そいつは俺を捕らえて離さなかった。


「おい、どうしたんだ?」


俺の不安と恐怖は、顔に出ていたのだろう。


気付けば全員が俺の顔を見ていた。


話そうかどうしようか迷ったが、結局口に出した。


「いや、確信があるわけじゃないんだけど、二人が死んだのは、あの家で車にいたずらしたからじゃないのかと思って」


その場が水を打ったかのように静かになった。


しかし一人が反論し始めると、残りもそれに乗ってきた。


「そんなわけあるか」


「あの家とか車とか、関係ないさ」


「たまたまだよ。たまたま」


「呪いとかたたりだなんて……」


「そうだ。そんなものがあるわけがない」


いいたいことを言って、みなが静かになったとき、俺は言った。


「ほんとにそうか」


返事はなかった。


もう一度言った。


「本当に関係ないと、絶対の自信を持って言い切れるのか?」

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