第10話 サブタレイニアン
しばらく高校生活を過ごして、その子のことがわかってきた。お人形さんみたいに、触れたら壊れそうなくせに、いつでも必死に人のために動いている。
それは誰かに好かれようとしてるわけでもなく、誰かの評価を得ようとしてるわけでもない。自分の得にさえならないはずなのに。
私に話しかけてきたのはたまたまかもしれない。この子にとってはただの一部で、クラスで誰も孤立させないための策だったのかもしれない。
それでも私は、その子が気になって気になって仕方なかった。
私以外と話していると嫌な気持ちになる。私以外が触れていると邪魔したくなる。その気持ちは日に日に増していった。
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