第3話 本能

 私は鏡。相手に合わせる事で相手の機嫌をとって、その場をやり過ごす。それが私の形で、私が今まで生きてきて身に付いた周りに溶け込むための術。

 人の表情、目線、口の開き方、喋るペース、じっくり眺めて、相手を刺激しない、持ち上げる。そうすれば上機嫌になって、私を守る盾になる。私にとっての友達とは、他の誰かに虐められないための盾。

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