第4話 抑制

 今だから言える。きっとそんな考えだったから、私はまた孤立化した。

 中3の時、周りはそれぞれのグループで盛り上がってる中、私は教室の隅でひっそりと過ごしていた。友達が消えたわけじゃない、虐められてるわけでもない。でも、隣で心から笑える人は誰一人いなかった。

 それもそのはずで、最初こそ自分を持ち上げる鏡は楽しいかもしれないけど、そんなものすぐに飽きがくる。いてもいなくても支障はなくて、対話をしたいのに言葉を反射するだけで意見がない。そんな人間と進んで話したい人なんているわけがない。

 つまらない人間と言われたとしても、それでも私は安堵していた。馬鹿にされてるわけじゃない、虐められてるわけじゃない。私はうまく溶け込めた。それだけで満足だった。鏡の私、私は大嫌いだけど。

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