第2話 パラノイア
中学に上がる頃、家庭の事情で今まで暮らしたことのない土地に引っ越した。ちょっとやそっとじゃ昔の人間に会うことは出来ないほど遠くに。丁度良い機会で、私は学校での在り方を一新した。
虐められないように、周りに同調する。目立たないように、隠れすぎないように、何をするにしても周りに合わせて、馬鹿にされないように、調子に乗らないように、とにかく何も起きない事だけを祈って溶け込んだ。
自然と私の口調は変わっていた。相手を刺激しない為の丁寧語。先輩も後輩も同級生も、全て統一して丁寧語。家族以外例外はなしで、それが私になった。
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