第8話 樹神の実力

 天志達は、今受けたクエストの目的地グリーフの大穴を目指していた。


「なぁリン、お前が樹神とかにあげったっていう本は、俺の分ないの?」


「あっそれね、狭間からテンテンと一緒にこっちに来る時、色々入った袋落としちゃってね」


「落としちゃってねって、お前ドジだよな」


「ドジって、テンテンがリンのおっぱいさわるからいけないんだよ」


「胸さわられたくれぇで落とすんじゃねぇよ」


「落としちゃったんだから仕方ないじゃん、それに本なくてもテンテンにはリンがいるから大丈夫じゃん」


「まぁそりゃそうだけど、あるとないとじゃ違うだろ」


「テンテンそんなに欲しいなら、コダマンの本あげるよ、コダマンどうせ読めないから」


「いいのか?樹神お前いいやつだな、でも何か樹神の取っちまうみたいでわりぃから、借りるってことでいいか?」


「うんいいよ、はい」


「ありがとな樹神」


「うん」


「それでよぉリン、さっき言ってた、らいん?で探したとか言うのなんだ?」


「ああラインね、近くに仲間がいるか確認できるんだよ、確認って言ってもピンポイントでわかるわけじゃなくて、だいたい半径2、300mくらいかな、新しい町に入ったら使ってみればいいよ、後わかるのはリンと契約した人だけだから覚えておいてね」


「だからどぉつかうんだよ?」


「あそっか、ラインってリンを思い浮かべる感じで唱えてみて」


「ライン!」


 天志がラインと唱えると掌の印が青白く光った、それに印が少し熱を帯びた感じがする。


「お、何か光ってあったかくなったぞ」


「あっコダマンの落書きもあったかいよ」


「今はコダマンとリンがそばにいるから光ったんだね、契約者の誰かがラインを使えば、そばにいる契約者は全員光って熱を帯びるよ、この程度のことでもわかるとわからないじゃ結構違うからね、でも何人いるとか誰がいるとか詳しくはわからないんだけど、即興で作ったからあんまり便利にはできてないんだ、っていうかリンの体がなかったから力がなくて、複雑なのはできなかったんだけどね」


「はっ?作った?お前魔法作れるの!なんかスゲーんだな」


「ラインは魔法じゃないけどね、説明すると難しいんだけど、簡単に言うとリンの血に反応する感じかな、リン結構すごいんだよ」


「よくわかんねぇけどスゲーんだな、なぁ樹神もそう思うだろ」


「うん、リンはすごいよね、変身もできるもんね」


「ありがとっ、あっ、テンテン、コダマン魔物だよ、けっこういるね、うさぎ六匹、ポカロンが八匹、頑張って」


「はいよっ」「は~い」


 天志は右手に力をこめて呼ぶ「こいよっ黒(コク)」

 天志は黒をかまえる。


 樹神は右手を腰のあたりにまわし力をこめて呼ブ「いでよ、美雷(ミカヅチ)」

 樹神の武器は、ドデカいハンマー!樹神の体の倍はある大きさ、ハンマーの持ち手の部分から片側は、何でも潰せそうな平らな形、その平らな部分に大きく一字、天、、と入っている、もう片側は先端に行くほど鋭くなっていき、先端はもう針のように鋭い。


「コダマン変身」

 樹神中二ってるな、いや変身系だから小二ってるだな、さて強いやつの戦い方を見せてもらうか。


「樹神、見せてくれよ」


「うん、コダマンいきまーすっ」

 おいおい何でもありだな。


 樹神はバカでかいハンマーを軽々持ち上げて走り出す、まるでビニールでできているかのように、そして魔物の群れの近くまできたところで飛ぶ、跳躍も六歳とは思えないほど高い、そのままポカロンと呼ばれる美味しそうな魔物にハンマーを振りかぶって叩きつける!すると触れたと同時にポカロンは霧になった。


「やるねぇ樹神、俺も行くぜ」

 ハンマーはそのまま地面を叩きつける、その時!青い光がまわりの魔物に向かって走る!残っていた十三体の魔物全てに向かっていき、バチバチッっという音とともに魔物が全て霧となった!


「・・・・・え?!何?何それ樹神君、こわいんだけど君」


「へへ、かっこよかったでしょコダマン」


「コダマンかっこよかったよ、美雷使うの上手だね」

 すごいよコダマン想像してたよりもすごいよ、美雷をあれだけ振り回せるのだってすごいのに、地雷(ジライ)まで使えちゃうなんて、リンにとってうれしい誤算だよ。


「リン、何だよ今の、あんなの反則だろ」


「コダマンと魔物のレベル差が結構あったからね」


「そっそうなのか、後あの青いのは何だよ」


「あれは地雷(ジライ)って言って美雷の持ってる能力だよ、もう使えるのはすごいんだよ、でもコダマンがもっと強くなれば地雷ももっと強くなるよ、テンテンもコダマンみたいに強くなってね」


「ああ、すぐだすぐ、すぐ樹神ぬくからな」


「テンテンには負けないよ、ふふふ」


「テンテン今のでレベル上がったでしょ?パーティーなら誰が倒しても平等に経験値入るからね」


「上がってねぇと思うぞ、ピロリンいわねぇもん、それとパーティーって何だ?」


「パーティーって言うのはね、チームだね、ギルドで私と彼はチームですって登録すると・・あ、登録してないね、後で、後で登録しようね」


「やっぱりドジだな」


「ちょっと忘れちゃっただけだもん、でね、登録するとその人達はパーティーになるの、そうするとさっき言ったみたいに経験値が平等に入るから、一人強い人がいればレベル上げも楽になるんだ、パーティーは最大で五人まで組めるよ」


「へぇー強くなるにも色々な方法があるんだな」


「うん、でも今日はパーティー組んでないから、これから会う魔物は全部レベルの低いテンテンに倒してもらうから、Dランクの魔物はもうコダマンが倒してもおいしくないからね、コダマンごめんね、明日からお願い」


「マジかよ」「うんわかった」


「しょうがねぇな強くなるためだ、一人でやればいいんだろ」


 天志は一人魔物を倒しまくる、強くなるため樹神に追いつくために・・・そしてバてる・・・


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