第62話たとい人は百人の子をもうけ~
(原文:第6章
3 たとい人は百人の子をもうけ、また命長く、そのよわいの日が多くても、その 心が幸福に満足せず、また葬られることがなければ、わたしは言う、流産の子は その人にまさると。
4 これはむなしく来て、暗やみの中に去って行き、その名は暗やみにおおわれ る。
5 またこれは日を見ず、物を知らない。けれどもこれは彼よりも安らかである。
6 たとい彼は千年に倍するほど生きても幸福を見ない。みな一つ所に行くのではな いか。
多くの子宝に恵まれ、長寿を全うしたとしても、心が不幸のままで生き、亡くなったとしても、満足に墓にも入れないようなことであれば、その人の人生は流産の子にも劣る。
確かに流産の子は、不幸に死に、その名も残ることはない。しかし人生における悲哀を体験することはない。
心が満たされなければ、千年の倍生きたとしても、不幸。
結局行き先は、死産の子と同じ、暗やみの中になる。
極端な例とは思うけれど、これもまた、真実なのだと思う。
時々、生きていることは、死ぬことよりも辛いと思うことがあるけれど、それ以上に、本当の幸せとは何か、安易に他者に教えを委ねず、しっかりと自問、考えることが必要なのだと思う。
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