第61話わたしは日の下に一つの悪のあるのを見た。これは人々の上に重い。

(原文:第6章1、2)

1 わたしは日の下に一つの悪のあるのを見た。これは人々の上に重い。

2  すなわち神は富と、財産と、誉とを人に与えて、その心に慕うものを、一つも欠 けることのないようにされる。しかし神は、その人にこれを持つことを許されな いで、他人がこれを持つようになる。これは空である。悪しき病である。



人生における残酷な事例の一つ。

神は、その人が望む財産あるいは名誉など、全てのものを与えながら、保持することを許さず、奪い去り他人の所有としてしまう。

こうなってしまうと、今までの労苦や喜びも全く空虚なもの。

人生そのものが、悪い病になってしまう。


成功者が没落する、そういう話は歴史において、また現代社会においても、数限りなく見受けられる。

この世に生きる人に、幸福を与えるのも、奪い去るのも、神の心一つにかかっている。


さて、ここからが問題になる。

没落して苦しくなった人は、どう生きたらいいのだろうか。

これは、人それぞれ、自分自身で、答えを見つけなければならない。

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