タイトルのない詩(うた)
山吹によせて
母が夕方ヒステリーを起こすと、父は私を乗せ山へ向かってドライブをしました。
無口な父、そしてどんどん暗くなっていく光景。真っ暗になる少し前、父は一軒のお店に止まりました。飲み物を買っていたようです。私はお店の横に行きました。そこには滝が落ちる小さな窪みの側に山吹の花がさみしく黄色に咲いていました。
お店に戻ると6時半の放送のサザエさんのテーマソングがテレビから流れています。
家庭的で幸せなサザエさんの歌に私は家に帰りたくなりました。
そんな顔を見ていた父は「家に帰りたい?」と言うと車をUターンさせました。
家に着くと、何も気づかないようにバタバタと掃除をしている母がいました。
商売が嫌いだった母と、商売が好きだった父の気持ちがすれ違っていたようでした。
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