タイトルのない詩(うた)

私に何がわかるだろうか

この詩を涙で語る必要がある時が来るとは思わなかったけれど

やはり知ってほしいと筆をとったことは真実で…


悪性リンパ腫だった母

外泊許可で私の所に来た

抗がん剤も効かず血液中の酸素が減り

苦しい日々が続いていた

そんな状況だった


車椅子でスーパーに買い物に行ったり

お風呂も手伝って入ってもらった

食べられるものをと食事の準備をした

とてもとてもうれしそうで…


朝の食事の時に言った

「夜中に○○が出て行ったのもわかった。苦しくて苦しくて余程声をかけようと思ったくらい苦しかった」と。


ごめんなさい、気がつかなくて。

私は2階の自分の部屋でそんな事も知らずに寝ていた。

そして母の言葉を覚えているだけで…

その時は「???」だった自分。


今ならわかる

母は本当に苦しかったのだと。

そして一緒の部屋で寝なかった事を本当に申し訳なかったと思う。

わからなかったのです、ごめんなさい。


だけど病院に帰えり「お前の所に行って外泊する勇気ができた」と言った。

そして自分の家に帰った。

祖母(母の母)にも来てもらったが、ケンカして病院に戻ったらしい。

自分の親にわがままを言いたくなるけれど、きっとかなり言ったに違いなかった。


ホスピスのある病院を兄と見に行った。

その金額では兄も私も入れてあげられなかった…本当にごめんなさい。

そして何度も何度もモルヒネを打ってほしいと看護師さんに頼んでいた母。

病院の個室に入れてあげられたのもモルヒネを点滴で流しっぱなしにした時だった…。


そんな時にふと意識が戻った一瞬があった。

兄と私が横に並んで立っていた時だ。

ものすごく優しい表情で私たちを見たよね。


今も覚えている母の言葉。

いつもいつも愛してくれた母の言葉。

今ならわかる…本当にごめんなさい。

私の所に来た時の母の笑顔も思い出せるように「お前の所に来て家に帰る勇気が出た」と言ってくれた事に感謝しています。

いつもありがとう…お母さん。


涙が流れてこれ以上は書けない。

だけど私は書かなければいけないと思った。

本当に愛してくれてありがとう、お母さん。

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