タイトルのない詩(うた)

夜になっても金木犀の花の薫りが漂う町で

誰も私を待っているわけではない

ただ待っているのは温かいお風呂と

季節のいろいろな果実

そして猫と大好きな本との静かな時間


人よりもいいかもしれないな

風呂あがりは葡萄を食べて

猫と遊ぶ

布団に入ればきっと

すぐに快い眠りが訪れる


誰かの心の底にある欲望が

はっきりと目の前に見えた時

そっと離れてしまいましょう

はしゃぎすぎる人の

ベールで覆ったつもりの

孤独と悲しみを感じる時は

そっと離れてしまいましょう

静かに夜は更けてゆくのですから

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