信じられない……
話を終えた後しばらくしてガルダが口を開いた。
「お前の言うことを纏めると……
別の世界から落ちてきたお前を
本来なら保護しなければならない立場の
『心読み』らがお前の持っている魔道具を
欲しさ故に結託し、その魔道具を横領した上で
お前自身奴隷市場に売っぱらった。
奴隷市場では見目が良くない為売れず
鉱山奴隷としてミスリル鉱山送りとなったと言うことか……。
その後、身につけていた武道を教えるのと引き替えにドワーフどもから魔術の基礎を教わったと……。
色々苦労したんだな……。
ある時鉱山で崩落事故とヒュージスライムの進行が同時に発生し、そのタイミングを見て鉱山を脱走し今にいたる……か。
その際、餞別として世話をしたドワーフの教え子達から魔石と白金貨を贈られるとな。
ドワーフ達のその後は不明、服毒用の薬を彼らは持っていたと。
それで魔石を短時間に用意できたのね……
…………私の人生と比べても壮絶だわ。」
「納得してくれたようで良かった。」
「ふん、良くできた話。
きっと話の中に一部本当の話を混ぜているのね。
まるっきりの嘘なら見破るのも簡単なのだけど……。
本当の話が入っているから、何が嘘で何が本当か判断するのが難しいわ。」
「ん?俺は本当の話しかしてないのだが?」
(全部本当のことだが?崩落事故の下りが人為的であった点だけ微妙に違うか……?)
「蟲はどうしたの?
どうやってそこの蛇を手なずけたの?
その2つを納得できるよう説明してくれたら信じてあげる。」
「蟲のこと?
他の奴隷が苦しんでいた蛭のことか?
あれなら俺に適合出来なかったんだと思う。
迷い人だし、身体の中に蟲の天敵がいたんだと俺は踏んでいたのだが」
「普通適合出来ないと死ぬのは宿主の筈……。それに帝都にいる迷い人で適合出来なかった例は聞いたことがない。」
「まあ、信じるも信じないもガルダ次第さ。
それとバルバレスが俺についた理由?
それは単なる気紛れだと思うぞ?」
(実際そうだし。)
信じられないと言う顔でガルダは俺を睨んでいた。
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