えっ……

ガルダの話の後、俺は考えた。

(どれが俺にとって許されることか……


まず村人とガルダの関係……

これはこの封建的社会の中では許される範囲のことかも知れない……

この世界について部外者の俺が口を挟むことじゃないな。


無関心な俺を勝手に魔族と勘違いして、バルバレスを用いて使役しようとしたこと。

これは勘違いとは言え、許されるものではない。


話を聞く限り色々情状酌量の余地はあるが……

それに、あくまで結果としてだが……バルバレスと言う強力な味方を手にいれることが出来た。


後は芋虫事故……

あれは俺のせいじゃない……

と言いたいところだが、眷属の不始末?はやっぱり雇用主である俺の不始末だろう。どのような形で二階に引き上げるか最低でも聞くべきだった。


あとは…… 

大事なことを忘れていた。


ガルダといると漏れなく『復讐ってイベント』がついてくる。


総合すると?


……決めた。)


『バルバレス、ガルダを解放してやれ』


『良いのか?またもやお主を裏切るかもしれんぞ?』


『よい。その時はその時だ。』


「ガルダ、お互い誤解があったみたいなので

水に流してやることにする。ゴブリンの魔石はくれてやるから有効に使えよ。」


ガルダは不意のことでキョトンとしている。


「だから、バルバレスから解放してやると言っているんだ。


これに懲りたらもう少し考えて行動するんだな。復讐が成就すること祈っているぜ。」


「待て」


「俺も帝都に行って成さねばならぬことがある身。ここで立ち止まっている訳にもいかないんだ。黙って去らせてくれ。」


「だから待てと言っている。お主、体の良いやっかい払いをするつもりではないな?」


「そんなことある訳無いじゃないか。

お前の境遇にある意味同情したからこそ、身体を乗っ取られ使役された恨みを流し手打ちをしようとしているんだぞ?」


「ふむ……。妾はある意味人間と言うものを身限り過ぎていたか……」


(だから早くリリースしてくれ……)


「よし。お前についていく。」


「はああああ?」


「こんな妾でも役に立つぞ?」


「それは役に立つとは思うが……。復讐の相手をここで待つ必要があるんじゃないか?」


「ふふふ。妾は彼の者が何者であるか知らん。そして本当に戻ってくるかもな。ならば今までの待ちの姿勢から、攻めの姿勢に転じて見ようかと思ってな。

お主の向かう帝都なら人も多くもしかしたら彼の者を知っている者もいるやも知れん。それに長い時間を経て人の質も変わっているようだしたな。

後は……」

ちらっとおれを見る。

「後は?」



「みなまで言わせるな……」



『えっ?』



『……主もなかなか』



こうして、俺達は行動をともにすることになったのだ……



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