6m

オドを魔石から取り込み、マナを回す。


『パン』

と言う音とともにマナが回る。


『パン?』

そこで俺は気が付いた。


オドの量が圧倒的に少ない…。

これじゃあ、鉱山まで持つかどうか微妙だな。


そして予想通り鉱山への道半ばでガス切れしそうになった。

(地上ではオドはあまり存在しえないんだな…。ガイアウルフ5匹でこれか。

ホーンラビット1匹じゃ数分程度がやっとだな。ガルダが魔石に拘るのも少し分かるな。)


夕闇も迫ってきたので、野営することにする。(昨日のこともあるし、ポロモへ早目にお願いするか。)


『もしもし?ポロモさん?』


『アイ~?』


『マナと交換で、壁を作ってくれないかな?。高さ半分、いや⅓で構わないから。』


『アイ~』

その念話と同時にポロモが現れた。

(何か楽しそうだな~こいつ)


何故かスキップを踏んでいる。


そして早速ガジッと噛じって来た。

(絵面を考えるとちょっと怖いな…)


『今日の少し苦くて苦手~』


『いつもとは違うのか?』


『苦味やエグミはちょっとで良いの~』


『まあ、我慢してくれ。』


『アイ~』


気が付くと6mくらいの壁が周りを囲っていた。


『では行くの~』


『サンキューな』


手を振り、去って行こうとするがふと気になったのか俺を振り返った。


『隼人に同居の精霊さん、お腹減っているの~』


(ああ、呪いの蛇か…)


『締め付けをしないなら、少しマナを分けてやっても良いと伝えてくれないか?』


『あい~。契約があるから9日後には強く絞めなきゃならないけど~、それまでは分けて貰えるなら協力するって~』


(9日悪さしないなら、まあ良いか。)


『オッケーって言ってくれるか~?』


『あい~。また~』


そう言ってポロモは消え、俺は気絶した。


◼□◼□◼□◼□


『おい』


『おいっ』


『おいっ』


(うるさいな~もう少し寝させてくれ。)


『分かった。ただ礼が言いたくてな。儂としてはもう少し苦味が欲しいところだが…

まあ、贅沢は言わんわい。またな。期待しておるぞ』


そして俺は今度こそ本当の暗闇に飲まれていったのであった。

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