ボーラマスターヘの道

(さて、この後どうする?

氏族長に会いにきてくれとボロスが言っていたな……。


………………


会いに行くのはもう少し頭を整理してからにしよう。


その前に、階位を少しでも上げておくか。


ゴブリンドームで爆発用のゴブ魔石を稼いで、オーガ狩りにいこう。)

そう考え、下に向かった。


◼️□◼️□◼️□◼️□


暫くの間、ゴブリンドームで魔石を稼いだ後、オーガ集落へと向かう。


一匹釣りだしに成功する。

(せっかくだし落とし穴作戦を試してみるか)

土魔法を使いオーガを身体半分埋め、魔石を突っ込んで仕留める。


(一回程度なら俺の魔力でもいけるな。

そしてだ……)

穴からオーガの死体を取り出し離れた場所に引き摺っていった。

その後穴まで戻る。


(さてと……)


穴を覆う様、薄い土の板を土魔法で作り

穴の上に渡した。


(これでトラップ完成と……。)


急ぎオーガ集落に戻り、再度一匹釣りだす。


目印を付けておいたトラップの上を飛び越え、振り向く。


(よし、来た。あと10、9、8、7

……3、2、1 よしっかかった。)


……バタン


オーガの巨体が俺に向け倒れ掛かってきた。

慌て逃げる。

(何でだ?穴は?)


やつは立ち上がろうともがく。


(やばっ……。考えるのは後だ。取り敢えずこいつを仕留めないと。)


アキレス腱を切った後、口をこじ開け魔石を突っ込む。

後ろに飛びずさりながら、魔石を破裂させた。


(まあ、何とかなったか。


よくよく考りゃ、ダンジョンには地形回復能力があるんだったけな。


いくら傷をつけても時間がある程度立つと修復されているのは経験上知ってたじゃないか……


巨大な生物みたいなものか?

死んだ魔物も吸収されていくし……。


かと言って小部屋みたいに形状が保たれている場所もあるのは何故なんだろう?


謎だ……


もしかしたら巨大な生物じゃなくて……

細かい微生物が、無機物の上に大量に張り付いて形を成しているとか……


いかんいかん。考えるのは学者に任せよう。

この世界に学者がいるかどうか知らんが。) 

頭を振り、考えを現実に戻す。


(取り敢えず『落とし穴再利用作戦』は残念ながらボツだ。

狭い通路で戦闘の場合、巨体相手にすり抜けざま切り付けるのは無理がある。


ここで何とかもう一つ必勝パターンを用意したかったんだが。

上手くいかないもんだな……。

他にもっと良い方法は無いもんだろうか?)




◼️□◼️□◼️□◼️□


暫く考えた後ふと気づく。

(オーガを穴に埋める必要性ってそもそもあるんだろうか?


機動力さえ奪うだけなら、さっきのように段差で躓けさせれば良い。いや、段差である必要すらないか。そうだ!!あれだ……)


早速、オーガの死体まで行き、皮を剥ぎ裂く。脂肪を拭き取り、4つ編みして縄をつくった。


(重りは……と。)

付近を探しソフトボール大の石を3つ拾ってきた。


石を編み込みロープで繋ぐ。


(出来た。これでよし。

初めてにしてはなかなかかな?まあ、ゴブリン達の作ったものの方が出来映えは良さそうだったが。)

ゴブリン第3波のボーラ部隊が

投げつけるボーラを思い浮かべた。


(でもあれでは、オーガ相手だと小さすぎる。多少不格好だがこれを使うしかないか。)


ボーラを腰に結わえ、再度オーガ集落に向かった。


(よしラッキー。)

今回も一匹だけで徘徊していたオーガを釣りだすことに成功した。


(ボーラの投擲が失敗したら、慌てず捌いて倒せば良い。落ち着け落ち着け……)


そう考え、気持ちを落ち着かせる。

(深呼吸して……)

身体を低くし、サイドスローでオーガの足元へ絡みつけるように投げつけた。


ドスン


オーガの足下でボーラが地面に当たり弾む。


(失敗したか。結構難しいもんだな。

まあ、良い。

奴の視線がボーラに向いている今はチャンスだ。)


サクサクっと奴の後ろに回り込み、足を刈る。


(あとは、これで終しまいっと。)

頭を弾けさせ、魔石を取り終えた。


(暫く練習だなこりゃ。)


その後10匹ぐらい狩るころには

3回に1回は成功するようになっていた。


(目指せボーラマスターだ。)



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