極夜

月は低く、

見上げる空は

プラネタリウム。


ゆっくりと、

遠くジェット音を響かせて

飛行機が過ぎ去っていく。


左にオリオン座、

北斗七星は何処へ?


冷たい風が身体を撫ぜ、

体温を失っていく指先が

ひどく心地良い。


どくんどくんと、

冷えきった手が

生きていると叫んでいる。


オレンジ色の街灯に

仄かに照らされた

アスファルト、ブロック塀、

それから私。


チカチカと光る信号が

その孤独さを一層深める中、

オリオン座をまた1つ、

飛行機が通り過ぎていった。

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