喩え話
創造主というものがいるとしたら、
それは酷く間抜けなものなんだろう
形を創るのに夢中になって
心なんてのはどうでもよかったんだろうか
出会うべき人に出会えぬ世界
いつも独りぼっちを抱えた気がして
だから僕らこうして絶望している
世界の裏側で運命の人が産声を上げた、だとか
君の妹の親友の叔父の従兄弟の義姉が歌う歌のモデルは
僕のお祖父ちゃんだったんだよ、なんて
それだけでみんな愛しくなるだろ?
運命というものがあるのなら、
一期一会の偶然ではなく
何度擦れ違ってしまっても
いつか廻り逢うように
奇跡というものがあるのなら
この広い世界の中ですら
手を伸ばせば確かに
温かなその手に触れるように
そうしてくれてもよかったんじゃないのかい?
僕が傷つけて泣いた君は、
平行世界にはいないんだろう
僕らはずっとしあわせに過ごすか、
それかきっと出会わなかった
君は君の運命の人と
僕は僕の運命の人と
ずっとずっとしあわせに暮らしたのさ
僕は誰も傷つけたくないよ
特に君にしてしまったみたいには
でもこの世界の創造主は間抜けだから
僕も同じように間抜けなんだろう
だから君を傷つけてしまった
心がどうでもよかったなんてことないよ
だけど酷く間抜けな僕だから
もっと心を大事にすればよかった
創造主というものがいるとしたら、
それは酷く間抜けなものなんだろう
一瞬の差で一期一会を逃しているのかも知れない
僕が伸べた手は誰か掴んでくれるのかい?
…僕はいつも戸惑いながら手を伸ばしている
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