　突然だが、俺は今、幼馴染の部屋で監禁されている。

　偶然にも彼女が俺の事を好きだと知ってしまい、何故か捕まってこの状況と言うわけだ。

　今彼女は出かけている。脱出するなら今しかない。

　手首に巻かれた紐を、腕を動かし緩めて行く。毎日少しずつ、気付かれないように緩めていたので、簡単に抜けた。

　次に部屋の鍵だ。この部屋は内側からでも鍵が必要と言う。何とも用意周到な事で。もしや監禁されるのはそもそも時間の問題だった……？

　しかし鍵の位置は分かっている。部屋を出る時彼女が一つ持って言ったが、予備の鍵が机の引き出しにある。

　引き出しを開けると、鍵と共に、びっちしと俺の写真が、引き出しの底を覆うように詰まっている。超怖い。

　さっさと鍵を取り出し、引き出しを閉める。

　部屋の鍵を開け、そぉーと部屋を出る。

　物音はしない。今は家に誰も居ないようだ。

見つかったら何をされるか分からないゆえ、脱出すること自体不安でもあったが、案外簡単だったようだ。

すぐに一階へ降り、玄関へと向かう。

玄関は流石に普通の民家、内側からでも普通に開く。

「よし、俺はこれで自由だ！」

　しかし、気を抜くには、どうやらあまりにも早すぎたようだ。

　触れても居ないのに、鍵が開く音。

　そしてゆっくりと扉が開くと、そこには幼馴染が居た。

「あれ？　何してるの？」

「え、あ、えーと……」

「あ、そっかー！　お出迎えしてくれたんだね！　ありがとう！」

　彼女は、笑顔でそう言った。

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