第二部 戦争編

第14話 再会

 僕たちは訓練を終えて卒業式して、配属された部隊に合流した。SF映画に出てくるような宇宙と地上を行き来できる輸送艦に乗ってだ。

 敵は宇宙空間に突如として出現するため、僕たちが合流する部隊も当然宇宙にいる。離陸や加速などによるGの負担もなく、快適なまま僕たちは宇宙に到着後した。そして僕はかの有名な人のように地球は青かったと感想を抱いたのであった。

 僕たちが所属する部隊は地球出身で固められた部隊らしい。二足歩行で人のように走れるロボットのオーバードフレームは開発できても、他人との意思疎通をとるアイテムは誕生していないようだ。

 無論各原語の翻訳機は存在するが、どうしても正確な翻訳が行えないみたいだ。だから各メンバーと意思疎通をはかるため同じ言語の人たちで集められるようだ。

 どれぐらいの時間が経っただろうか――宇宙空間では太陽による時間変化がつかないため――僕たちを乗せた輸送艦が目的ポイントに到着した。そこには規模が比べ物にもならない巨大な宇宙戦艦が待っ

ており、格納庫と思われる場所が開いて輸送艦はそこに着陸した。

 周りには宇宙用のスーツを着た人たちだらけだ。僕たちもすぐさま着替えて輸送艦から出ていく。そこには今までゲームやシミュレーターを通して見た、現実では一度しか見ていないオーバードフレームが少なくとも10機ほどはあった。

『各員に通達。通達していたとおり、ただいま新たな人員と補給物資が届きました。整備班とブリッジ員を除いた各部隊員は至急、大広間に集合。繰り返す――』

 どうやら僕たちのちょっとした顔見せがあるようだ。しかし場所がわからず少し困惑していたら、艦内の案内をすると思われる二人が近づいてきてをしてくれた。そして部屋の中に入り宇宙服を脱いだ。

 そこで僕と児玉さんは驚いた。そこには速村先輩と芝水先輩だったからだ。今では上官と呼んだほうが正しいのだろうが。

「山賀三等兵と児玉三等兵は私たちに話があるだろうが、それは君たちの紹介が終わってからだ。行くぞ」

 その言葉に従い僕たちは後ろについていった。そして僕たちは大勢の前で紹介するのであった。

「私がこの艦の艦長をやっている善宮よしみや少佐です。皆さんが優秀な兵士として生き残れるよう期待します」

 眼鏡をかけた僕たちより人世代ほど上の男――善宮――が挨拶を終えたときだった。艦内にけたたましい警報と思える音がなった。

「総員、第一種戦闘態勢。UE出現兆候を確認。繰り返す――」

 当辺りの空気がガラッと変わり、ピリピリとした雰囲気が嫌でも伝わってくる。人類の存亡をかけた戦いが始まるのを実感する。先ほど挨拶をした艦長がすぐさま壁に設置されている電話型の通信機を使用する。

 今の技術では当然ながら無線でかつ小型の通信機は存在するが、UEが出現すると謎の電波ジャックが起こり、無線は途端に不安定となる。オーバードフレームなどの大型機ならある程度は安定する装置を積めるが、現状は小型機では無理らしい。そのため回線が安定する有線ワイアードが使われている。

「こちら善宮。敵の出現予測時間と規模は?」

 そして艦長がいくらか会話したあと、受話器を戻して僕たちのほうを向いた。

「さっそくですみませんが、あなたたちにも出撃してもらいます。大丈夫です、敵の規模は少なくあなたがたは最後方で待機してもらうので、交戦の機会はありません。戦場の空気とオーバードフレームを実際に動かしてもらうだけです」

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